IT化が進んだ現代において、パソコンを使う機会は仕事でもプライベートでも少なくありません。タイピングはパソコンを使用するための基本的なスキルですが、スピードと正確性のあるタイピングを行うことは簡単ではなく、苦手意識を持っている人もいるでしょう。
この記事では、タイピングが早くなるコツとタイプミスを減らす方法についてご紹介します。初心者はもちろん、中級者・上級者向けのコツもありますので、タイピングスキル向上のための参考にしてください。
目次
タイピングの基本的な知識
まずはタイピングの基本的な知識である「ホームポジション」や「タッチタイピング」について、どのようなものなのかを簡単に解説します。
ホームポジションとは
「ホームポジション」とは、キーボード上で指を動かしたあとに戻ってくるべき位置のことを指します。キーボード上に出っ張りがある「F」と「J」にそれぞれ左手と右手の人差し指を置き、そこから親指以外の指を横一列に置いたところがホームポジションです。
先述のように手を置くと、左手は小指から「A」「S」「D」「F」、右手は人差し指から「J」「K」「L」「;」のキーに指を置くことになります。この位置を基本としてタイピングすることで、キーボード上のすべてのキーに素早くアクセスできるようになります。
ホームポジションは、タイピングにおける基本中の基本です。初心者の方は、まずはこの位置からタイピングを始めることを意識して練習をしましょう。
タッチタイピング(ブラインドタッチ)とは
「タッチタイピング」とは、手元のキーボードを見ずにタイピングする技術のことを指します。最初は難しいですが、指がキーボード上のどこにあるのかを覚えて、その感覚を元にタイピングをすることで、徐々にタッチタイピングができるようになっていきます。
タッチタイピングの技術が身につくと、指をキーボード上で自在に動かすことができるようになります。視覚を文書に集中させながらタイピングでき、タイピング速度と精度が向上するため、タイピングの上達には必須のスキルと言えるでしょう。
なお、以前は「ブラインドタッチ」とも呼んでいましたが、盲目という意味の「ブラインド(blind)」が差別表現にあたるという考え方から、現在では「タッチタイピング」という呼び方が一般的になっています。
【初心者向け】タイピングが早くなるコツ
ここからは、タイピングを上達させるためのコツをご紹介します。初心者が意識するべきことは、主に下記の5つです。
- ホームポジションを意識する
- できるだけキーボードを見ずにタイピングする
- まずはスピードよりも正確性重視
- ミスを恐れずに練習を重ねる
- 継続的にタイピング練習をする
ホームポジションを意識する
初心者向けのコツとしてまず挙げられるのは「ホームポジションを意識する」ことです。キー入力後には、先述したホームポジションに指を戻すことを意識しましょう。これにより、指がキーボード上で迷子にならず、次のキーへの移動がスムーズになります。
また、ホームポジションに指を戻す習慣をつけることで、キーボードの位置の感覚を掴みやすくなり、タッチタイピングをスムーズに行うことができます。初心者の方にとっては、正しいポジションからのスタートを習慣づけることが、タイピングスピードを向上させる第一歩となるでしょう。
できるだけキーボードを見ずにタイピングする
2つ目のコツは「できるだけキーボードを見ずにタイピングする」ことです。これは先述したタッチタイピングと呼ばれる技術の基本であり、指がどの位置にあるのかを意識しながらキーボードを見ないでタイピングすることで、徐々に指の位置を覚えることができるようになります。
最初はタイピングがしづらいかもしれませんが、練習を重ねることで徐々にスピードが向上します。この方法を継続することで、将来的にキーボードを見なくてもスムーズにタイピングできるようになります。挫折せず練習を続けることがポイントです。
まずはスピードよりも正確性重視
タイピング練習を始めたばかりの初心者は、スピードよりも正確性を重視して練習することが大切です。スピード重視で入力しようとすると、ミスが増えやすくなるものです。ミスが多くなるとそのたびに修正作業が発生し、効率が低下してしまいますので、まずは正確にキーを押すことを意識しましょう。
タイピングスピードは、練習を重ねていくうちに自然と向上していきます。焦らず、継続的な練習によって、スピードと正確性の両方を兼ね備えたタイピングスキルを身につけるという意識をもつことが重要です。
ミスを恐れずに練習を重ねる
初心者のタイピング練習ではスピードよりも正確性を重視すべきですが、一方で正確性を求めるあまりミスを恐れて慎重になりすぎてしまうと、タイピングのスピードが上がりにくくなってしまいます。ミスは成長の糧と捉え、恐れずに積極的に挑戦することが、スピードアップへの近道です。
練習の過程でミスを見つけたら、そのミスに対する原因を分析しましょう。具体的にどの指をどのキーに置くべきだったのか、何が原因でミスが起きたのかを理解することで、同じミスを繰り返さないように改善していくことが上達のコツだと言えるでしょう。
継続的にタイピング練習をする
タイピングスキル向上のためには、継続的な練習が欠かせません。特に初心者の場合、最初は不慣れなキーボード操作に手間取ることもあるかもしれませんが、練習を続けることで徐々に改善されていきます。
練習と練習の間が空くと効果が薄れてしまいますので、少しずつでも構いませんので出来るだけ毎日継続的に練習をし続けることが大切です。
【中級者・上級者向け】タイピングが早くなるコツ
タイピングスキルが身についてきた中級者や上級者は、次のようなコツを意識した練習を行うとよいでしょう。
- 得意・苦手な指の動きを洗い出す
- 使用頻度の高い言葉を練習する
- スピードを意識する
- 変換のタイミングを遅らせる
- キーボードを変える
得意・苦手な指の動きを洗い出す
タイピングスキルをさらに高めるためには、自身の得意な動きと苦手な動きを洗い出すことが重要です。得意・不得意を把握して、苦手な部分に焦点を当てて練習を継続しましょう。
練習中に何度かミスをしたり、遅さを感じたりする単語やキー操作を洗い出し、どの指の動きがうまくいっているか、逆にどの指の動きが不自然で遅くなっているかを把握します。例えば、特定の単語で同じ指を連続して使っている、または特定の指の動きが不自然で遅いなどのパターンがあります。
洗い出した課題に焦点を当てて反復練習することで、苦手を克服してよりスムーズなタイピングができるようになるでしょう。
使用頻度の高い言葉を練習する
タイピングスキル向上の目的に合わせて、使用頻度の高い言葉を練習することも効果的です。特にビジネスメールやプロジェクト関連の文書で頻繁に使われる単語やフレーズ、標準的な挨拶や表現などは、タイピングの練習に非常に適しています。
この練習は単なるタイピングスキル向上だけでなく、実務上の効率化にもつながります。ビジネスのコミュニケーションでは頻繁に使われる表現が多いため、素早く正確に入力できることは非常に重要です。
これらの単語やフレーズを最高速で打てるようになってきたら、練習の幅を広げることも大切です。最初は基本的なフレーズから始め、次第に難易度を上げていくことで、幅広い単語やフレーズに対するタイピングスキルを高められるでしょう。
スピードを意識する
初心者はまず正確性を意識して練習することが大切ですが、タイピングスキルが一定レベルに達した中級者・上級者は、スピードを意識して練習すべきだと言えます。
タイピングゲームやタイピング練習アプリを利用すると、楽しみながらスピード練習ができます。これらのアプリはスピードを競いながら正確性も確保するための効果的なツールです。継続的な練習と、徐々にスピードを上げる意識が、スピーディーなタイピングスキルの向上につながるでしょう。
変換のタイミングを遅らせる
タイピングスキルをさらに高めるためのコツとして、「変換のタイミングを遅らせる」ことも有効です。これは、文字の変換を細かく行わず、単語単位や2~3文節ごとに変換するという方法です。
通常、変換を細かく行うと、キー入力の回数が増えてしまいます。これが逆効果となり、タイピング速度が低下する要因になります。一方で、単語単位や文節単位でまとめて変換することで、キー入力の回数を減らし、効率的に文字を入力することができます。
この方法を取る際に重要なのは、タイミングの良い変換ポイントを見つけることです。特に長文を入力する際には、意識的に単語や文節ごとに変換することで、スムーズかつ迅速なタイピングを実現できます。
キーボードを変える
スキルがしっかりと身についた上級者がさらにタイピングスピードを上げるためには、キーボードを変えることも効果的です。
キーボードのストロークの深さや反応速度は、タイピングスピードに直結します。一部のキーボードはストロークが浅く、タイピングの際に指をあまり動かす必要がないため、タイピングがスムーズになることがあります。
自分の手のサイズや指の長さ、タイピングの癖に合わせてキーボードを選ぶことが重要です。手にフィットするキーボードを選ぶことで、長時間のタイピングでも疲れにくくなり、効率的にタイピングできるようになります。使い方や好みにあった反応の良いキーボードを選ぶことで、さらにタイピングスキルが向上するでしょう。
タイプミス(打ち間違い)を減らす方法
タイピングスピードを上げるためには、タイプミス(キーの打ち間違い)を減らすことも重要なポイントです。ここからは、タイプミスを減らすための次のような方法についてご紹介します。
- ミスの原因を分析する
- キーを強く叩かない
- 速度を意識しすぎず、正確さを意識する
- ホームポジションを守る
ミスの原因を分析する
タイプミスの原因は様々です。ミスを減らしていくためには、まず自身がどのような原因でミスをしているのか分析することが重要です。例えば違うキーを押している、押す順番を間違えている、隣接するキーを誤って押しているなど、判明した原因に応じて効果的な対策を取ることが求められます。
違うキーを押してしまう場合は、キーボードのレイアウトや配置を確認し、どのキーを押すべきだったのかを再確認しましょう。押す順番を間違えてしまう場合は、タッチタイピングの練習を重ねることで改善できます。隣接するキーを誤って押してしまう場合は、そのキーの位置や指の動きを意識して反復練習を行うことで、ミスを減らすことができます。
まずはタイプミスの原因を分析した上で、それに合った対策を取るように心がけましょう。
キーを強く叩かない
強くキーを叩くと、他のキーも一緒に押してしまうことがあり、これがタイプミスの原因となります。正確かつスムーズなタイピングを実現するためには、キーを強く叩かないように意識することも大切です。
高い位置からキーをたたくようにすると、他のキーを一緒に押してしまいがちですので、キーボードに手を置く際には力を入れず、指を軽く落とすようにしてキーを押すとよいでしょう。
どうしても叩きつけるようなタイピングをしてしまう方は、感度が良くストロークの浅いキーボードに変えるのも1つの方法です。自分に合ったキーボードを選ぶと、キーを押す際の適切な力加減を知ることができます。
速度を意識しすぎず、正確さを意識する
タイプミスを減らすためには、速度を意識しすぎず、正確さを重視することも必要です。速くタイピングすることも大切ですが、正確さを優先してタイピングすることで、ミスの減少と正確な文字入力が可能となります。
初めはゆっくりでも構いませんので、正確にタイピングできる速度で練習して、ミスが減ってきたらスピードを上げていきます。これを繰り返していくことで、正確性を維持しつつスピーディーなタイピングができるようになっていくでしょう。
ホームポジションを守る
タイプミスを減らすためには、基本中の基本であるホームポジションを守ることも大切です。ホームポジションを守り、指が特定のキーに戻る習慣を作ることで、同じ動きを反復することが可能となります。
独自のタイピング方法を編み出すよりも、基本に倣ってホームポジションを意識した反復練習を行うことで、より正確でスピーディーなタイピングができるようになるでしょう。
まとめ
タイピングは、パソコンを使う機会が多くなった現代では欠かせないスキルだと言えます。タイピングのスピードと正確性を向上させるためには、ホームポジションを意識して継続的な練習に取り組むことが大切です。
この記事では、タイピングが早くなるコツとタイプミスを減らす方法についてご紹介しました。ここでご紹介したコツを参考にしながら練習を重ねて、タイピングスキルを向上させてください。
タイピング練習には、音声を文章に書き起こす方法も効果的です。例えば、文字起こしツール「AIGIJIROKU」を活用しながら会議の議事録を作成するなど、AIツールも活用しながら練習に励むとよいでしょう。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。