動画編集ソフトとして一般的に広く使われている「Premiere Pro」ですが、音声の自動文字起こしが出来るのはご存知でしょうか?Premiere Proを使って音声の文字起こしを自動化すると、動画に字幕を付けられるだけでなく、テキストデータの書き出しもできます。
この記事では、Premiere Proを使って自動文字起こしを行うメリットや、自動文字起こし機能の使い方、文字起こしをする際の注意点などについて解説します。文字起こしを自動化したい方は、参考にしてみてください。
目次
Premiere Proとは?
「Premiere Pro(プレミアプロ)」とは、Adobe社が提供する動画編集ソフトウェアです。プロフェッショナルレベルの機能を備えており、映画やテレビ番組、YouTube動画などの編集に広く使用されています。
Premiere Proを使えば、ビデオクリップのカットやトリミング、効果の追加、タイトルや字幕の挿入、オーディオの編集など、幅広い作業を効率的に行うことができます。豊富な機能と使いやすさが特徴であり、映像編集に慣れているプロフェッショナルから初心者まで幅広いユーザーに支持されています。
Premiere Proの自動文字起こし機能とは?
Premiere Proの自動文字起こし機能は、音声ファイルを自動的に文字に起こす機能です。これにより、動画やオーディオクリップの音声をテキストに変換することができます。自動文字起こし機能を使用することで、字幕や議事録の作成を効率化し、作業時間の節約が可能になります。
Premiere Proの自動文字起こし機能は、比較的高い精度で音声をテキストに変換することができます。編集や修正が必要な場合もありますが、文字起こしをすべて手作業でやるよりも手間を削減できるでしょう。また、Premiere Proの自動文字起こし機能は日本語を含む多言語に対応しており、幅広い用途で活用することができます。
動画編集ソフトにおける文字起こし機能の必要性
近年、YouTubeやその他の動画配信プラットフォームの普及によって、動画コンテンツは一般の人々にとって身近なものとなりました。しかし、動画を視聴する際に音声を聞くことが難しい場合もあります。そのような時でも、字幕が付いていれば視聴者は動画の内容を理解することができます。こういった需要の高まりから、動画編集ソフトにおいても文字起こし機能が必要とされるようになっています。
文字起こし機能を利用することで、動画制作者は聴覚障がい者や音声が聞き取りにくいユーザーにも配慮したコンテンツを提供することができます。さらに、異なる言語を話す視聴者層にもアクセスしやすくなります。そのため、動画編集ソフトにおける文字起こし機能は、今後も必要性が高まっていくと考えられます。
Premiere Proの自動文字起こし機能を使うメリット
音声ファイルの文字起こしを自動化するソフトは、Premiere Pro以外にもあります。ここでは、Premiere Proを使って自動文字起こしを行う際のメリットをご紹介します。
動画に字幕を付ける作業が簡単に
Premiere Proは動画編集ソフトですので、動画に字幕を付ける作業が簡単にできます。動画の音声トラックから自動的に文字起こしを行えるため、手動での文字起こし作業を省略し、効率的に作業を進められます。
文字起こしの精度が比較的高い
Premiere ProはAIを活用して文字起こしを行っておりノイズにも比較的強いため、無料の文字起こしソフトや動画編集ソフトよりも比較的高い精度で自動文字起こしが可能です。従来の音声認識ソフトよりも進化した技術を使用しており、言語モデルの改善も継続的に行われているため、今後も精度向上が期待できるでしょう。
テキストデータの書き出しも可能
Premiere Proの自動文字起こし機能では、動画に字幕を付けるだけでなく、文字起こし結果をテキストデータとして書き出すことも可能です。テキストデータとして保存することで、文字起こしした内容を編集や修正できますので、議事録や要点のまとめを作成する際にも便利です。
Premiere Proの自動文字起こし機能の使い方
では、Premiere Proの自動文字起こし機能はどうやって使うのでしょうか。ここからは、使い方や便利な機能について詳しく解説します。
自動文字起こし機能を使う手順
- Premiere Proを起動し、プロジェクトを開くか新規プロジェクトを作成します。
- プロジェクトウィンドウで、文字起こしを行いたい動画・音声ファイルをプロジェクトに読み込ませます。ファイルメニューから「インポート」→「読み込み」を選択し、動画・音声ファイルを選択します。
- ウインドウメニューから「テキスト」を選択してテキストパネルを開き、「文字起こし」タブの「シーケンスから文字起こし」を選択します。
- 言語やオプションの設定を行い、「文字起こし開始」ボタンを押すと、自動文字起こしが開始されます。
- 文字起こしが完了したら、「CC」ボタンを押して行数や間隔などの設定を行い、「キャプションの作成」をクリックすると、キャプションが作成されます。
- テキストデータを書き出す場合は、「・・・」ボタンを押して「テキストファイルに書き出し」を選択し、保存先を指定して「保存」ボタンを押すと、.txtファイルとして書き出しができます。
文字起こしを行う際に使える便利な機能
Premiere Proの自動文字起こし機能の中には、次のような機能もあります。これらを使うと文字起こしがより効率的に行えますので、活用してみてください。
スピーカーのラベル付け
話者を区別する機能です。音声認識機能で声質を判別して、スピーカー(話者)を識別し、ラベル付けを行います。
オーディオ分析
「エッセンシャルサウンド」パネルを使用して「会話」としてタグ付けされたオーディオクリップか、選択した特定のオーディオトラックから文字起こしを行うことができます。
インポイントからアウトポイントの間のみを文字起こし
タイムライン内でインポイント・アウトポイントを設定して、その範囲内のみ文字起こしすることができます。
検索と置換
言葉を入力すると、文字起こししたテキストの中から検索できます。また、検索した言葉を別の言葉に置き換えることも可能です。
スペルチェック
設定された言語に合わせて、スペルに間違いのある単語が無いかチェックできます。間違いのある単語は赤い下線でハイライトされ、右クリックすると入力候補の単語リストが表示されます。
Premiere Proで文字起こしをする際の注意点
Premiere Proの自動文字起こし機能は、比較的精度が高くノイズにも強い傾向があります。しかし、その精度は完ぺきであるとは言えません。また、音声認識の精度を高めるためには、いくつか注意すべき点があります。
最後に、音声認識の精度を高めるために気を付けるべきポイントをご紹介しますので、より正確に文字起こしを行いたい方は参考にしてください。
専門用語や方言、固有名詞などはうまく認識されない
Premiere Proの自動文字起こし機能では、専門用語や方言、固有名詞(人名、地名、商品名など)は上手く認識されない傾向があります。こういった一般的でない言葉を多用している場合は、文字起こしの精度も低下してしまいがちですので、注意が必要です。
専門用語や方言などは、文字起こしに特化したツールを使った方が、正確に認識されやすいケースも多いです。業界別の専門用語の学習を強化した文字起こしツールなどもありますので、そのようなツールの利用も検討してみるとよいでしょう。
複数人が同時に発話していると認識されづらい
1対1で交互に話しているような状況だと比較的正確に音声認識ができますが、複数人が同時に発話しているような状況では、認識精度も下がってしまいます。あらかじめ自動文字起こし機能を使用すると分かっている場合は、複数人が同時に発話してしまわないよう注意して、発言は挙手制にするなど工夫するとよいでしょう。
ノイズが大きいと精度が下がる
Premiere Proの自動文字起こし機能は比較的ノイズに強いと言われていますが、声に重なるノイズの音が大きいと、音声認識精度は下がってしまいます。より正確に文字起こしを行いたい場合は、音声の収録を行う際に個室に入るなど、できるだけ周りの人の声や音が入らない環境を作るとよいでしょう。
まとめ
Premiere Proで自動文字起こしを行うと、動画に字幕を付けたりテキストデータの書き出しが出来たりと、非常に便利です。ただし、文字起こしの精度は完ぺきであるとは言えません。
動画へ字幕を付けるのではなく、文字起こしや議事録作成のみを行うのであれば、より精度の高い文字起こしに特化した有料ツールを使うのもおすすめです。オルツ社が提供する「AI GIJIROKU」は、99.8%の高精度で自動文字起こしを行うことができます。要約機能や専門用語の学習を強化した業界別音声認識機能などもありますので、ぜひ利用を検討してみてください。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。