会議を成功させるためには、効果的な議題の設定が欠かせません。議題は会議の骨子であり、うまく設定すれば議論を整理し、効率的な意思決定を促進することができるものです。
この記事では、議題の持つ役割と設定するメリット、効果的な議題設定のためのポイントをご紹介します。また、議題と似ている議案・議事・アジェンダ・レジュメといった言葉との意味の違いについても解説します。会議の時間を有意義でより成果の上がるものにしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
議題とは
「議題」とは、会議において話し合うべきテーマや目的そのものを指します。会議を円滑かつ効果的に進行させるためには、事前に何を議論し、どのような結論を導きたいのかという目的を定めることが重要です。
議題の役割
あらかじめ議題を設定して会議の目的を明確にしておくことで、参加者は事前準備を行うことができ、議論に参加しやすくなります。また、議題に沿った議論に集中できるため、会議が散漫になるのを防ぐこともできるでしょう。
議題の主な役割は、会議における議論の焦点を定め、効果的な議論を促進することにあります。生産的で有意義な会議を行うためには、適切な議題の設定は欠かせないステップなのです。
議題・議案・議事の違い
「議題」と似た言葉に「議案」や「議事」などがあります。いずれも会議や討論に関連する言葉ですが、それぞれ異なる意味と役割を持っています。
- 議題:会議において話し合うべきテーマや目的そのもの
- 議案:会議の目的に関する具体的な提案や、提案されたアイデア・計画などのこと
- 議事:議題と議案に基づいて行われる、集まって話し合い協議する場のこと。つまり会議自体。あるいは、協議の場で議論された内容のこと
会議は「議題」を目的として議論が行われ、その中で出てきた具体的な提案は「議案」と呼ばれます。そして、一連の議論の内容や会議そのものは「議事」と呼ばれ、一般的には「議事録」として会議内容の記録を残します。
アジェンダとは
「アジェンダ(agenda)」とは、英語で課題や議論、スケジュールなどを意味する言葉です。アジェンダという言葉にも「議題」や「会議で話し合うテーマ」といった意味はありますが、日本のビジネスの場においては、会議全体のスケジュールや議題のリストなどを含む予定表という意味合いで使われることが多いのがアジェンダです。
レジュメとは
「レジュメ(resume)」とは、英語で要約や履歴書などを意味する言葉です。会議の場においては、発表する内容を簡潔にまとめた資料などのことを指します。発表者自身が、発表内容を参加者に分かりやすく伝えるための資料として作成するのが、レジュメです。なお、海外では「レジュメ」と言うと履歴書のことを指すのが一般的です。
会議において議題を設定するメリット
ここまでは、議題という言葉が持つ意味や役割について解説してきました。では、会議において議題を設定すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
1.参加者が事前に話す内容を準備できる
議題を設定するメリットの1つ目は、「参加者が事前に話す内容を準備できる」という点にあります。事前に議題が設定されていると、参加者は会議前にそれについて考え、関連情報を収集する時間を持つことができます。会議が始まる前に事前準備をしておいた方が、より具体的な意見を出しやすくなり、効果的な議論ができるようになると考えられます。
また、会議においては、様々な視点からのアイデアや意見が挙がることで、議論がより有意義なものになります。参加者それぞれが事前に意見や提案などを整理して準備しておくことで、会議での発言がしやすくなり、議論も活発になっていくでしょう。
2.論点が明確になり脱線しづらくなる
議題を設定するメリットの2つ目は、「論点が明確になり脱線しづらくなる」という点にあります。議題が設定されておらず、明確なゴールが見えづらい会議では、話が脱線したり話題が散漫になったりして、会議時間も予定を超えて長引いてしまいがちです。
会議における論点を明確にしておくと、議題に関連しないトピックや雑談が入り込みにくくなり、参加者は全員で同じ目的に焦点を合わせた議論がしやすくなります。話の脱線が少なくなれば、会議が長引くリスクも低減できるでしょう。
3.話すべき事柄の見落としを防げる
議題を設定するメリットの3つ目は、「話すべき事柄の見落としを防げる」という点にあります。会議において、議論すべきテーマや重要なトピックを見落とすことは、効果的な意思決定において致命的なミスになりかねません。
しかし、議題が明確に設定されていると、どんな内容について話し合うべきかが把握できるため、話すべき事柄を見落とすことなく会議をスムーズに進行できるでしょう。
また、議題が定まっていれば、話すべき内容の優先順位をつけることができます。これにより、時間の制約がある場合でも、最も重要な事柄に焦点を当てた会議の進行が可能になり、効果的な議論と意思決定が促進されるようになります。
効果的な議題を設定するポイント
最後に、効果的な議題を設定するために意識すべきポイントを5つご紹介します。
1.具体的なテーマにする
議題を設定するポイントの1つ目は、「具体的なテーマや目的にする」ことです。議題が抽象的または曖昧な場合、参加者は何について話すべきかを理解しにくく、事前の準備が難しくなります。しかし、具体的なテーマを設定すると、参加者は明確な焦点を持ち、関連情報を収集しやすくなるでしょう。
また、具体的な議題には、参加者が具体的な提案やアイデアを出しやすくする効果もあります。抽象的なテーマでは話題が漠然とし、議論が脱線しやすいですが、具体的なテーマを設定することで議論が焦点を保ち、解決策の検討が容易になると考えられます。
2.方向性を明確に示す
議題を設定するポイントの2つ目は、「会議の方向性を明確に示す」ことです。議題に対してどのような結果を期待するのかを示すことで、参加者はその目標に向かって議論できるようになります。
例えば「顧客のリピート率を上げるためには?」ではなく、「顧客のリピート率を3か月で10%上げるためには?」といったように具体的な数値などを用いて目標を示すと、参加者に方向性が伝わりやすくなるでしょう。
会議で話し合うことによってどこを目指すべきなのか、といった部分が分かりやすくなるように、議題を設定することで方向性を明確に示しましょう。
3.参加者に問いかける形の議題にする
議題を設定するポイントの3つ目は、「参加者に問いかける形の議題にする」ことです。この方法を用いることで、会議の方向性を明確にし、参加者の積極的な参加を促すことができます。
疑問形での議題設定は、参加者に対して具体的な課題や問題について考えさせることができます。例えば「利用者の増加について」というテーマでは検討すべき具体的なアクションや戦略が不透明かもしれませんが、「利用者を10%増やすためには何をすべきか?」という疑問形の議題は、参加者に対して具体的なアイデアや提案を出す契機となるでしょう。
4.複数の議題を詰め込まない
議題を設定するポイントの4つ目は、「複数の議題を詰め込まない」ことです。1つの議題に複数のテーマを詰め込んでしまうと、会議の効率や成果に悪影響を及ぼす可能性があります。このポイントは、効果的な議題設定において非常に重要です。
会議の時間は限られているため、複数のテーマを詰め込むとそれぞれのテーマに適切な議論の時間を設けることが難しくなってしまいます。結果として、必要な事柄が十分に話し合えず、結論を導き出せないまま会議が終わってしまうことも考えられるでしょう。また、複数のテーマが設定されていると、議論が行ったり来たりして混乱を招く可能性もあります。
そのため、なるべく1つの会議に1つの議題を設定し、限られた会議時間の中でもしっかりと結論を出せるようにすることが大切です。複数のテーマで議題を設定する必要がある場合は、Aのテーマについて結論を出してからBのテーマに進む、といったように段階的に議論を進めることを意識しましょう。
5.設定した議題はなるべく早く共有する
議題を設定するポイントの4つ目は、「設定した議題はなるべく早く共有する」ことです。議題を早期に共有することによって、参加者は会議に備えて準備を行うことができます。事前準備ができる時間があれば、参加者はテーマについてよく理解し、具体的な提案や意見を持った状態で会議に臨めるでしょう。
また、議題に関連する資料や情報がある場合、それらを共有することも大切です。参加者に対して事前に読んでおくべき資料やリンクを提供することで、共通の理解が促進され、議論の質が向上すると考えられます。
まとめ
議題とは「何のための会議なのか?」を明確にし、会議の時間を有意義にするための指針となるものです。効果的な議題設定を行うことによって、会議は生産的かつスムーズに進行し、参加者はより有益な議論を行うことができます。
有意義で効率的な会議のためには、議題の設定が欠かせません。議題を設定する際は、今回ご紹介したポイントを意識してみてください。
なお、会議の内容を振り返ることができる議事録の作成も、効果的な議題設定と同様に重要です。AIが99.8%の高精度で会話の内容をテキスト化する文字起こしツール「AIGIJIROKU」などを活用すると、効率的に議事録を作成することができますので、ぜひ利用を検討してみてください。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。