会議をはじめとしたビジネスシーンにおいて、情報を整理し、コミュニケーションをサポートするツールとして「レジュメ」を作成するシーンは頻繁に発生するものです。しかし、なぜレジュメが必要なのかを理解していない人も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、レジュメの概要からアジェンダ・議題・サマリーといった似た意味を持つ言葉との違い、会議におけるレジュメの書き方と作成のポイントなどを解説します。これからレジュメを作成する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
レジュメとは
「レジュメ」とは「文章を要約したもの・概要」といった意味を持つ、フランス語の「résumé」を語源とする言葉です。ビジネスシーンだけでなく様々なシーンで使われるものであり、例えば会議の目的やスケジュールなどの概要をまとめた資料や、講演会などで配布される講演内容を要約した資料などのことを指します。
また、ビジネスシーンにおけるレジュメは、会議やプレゼンの資料だけでなく履歴書や職務経歴書を指すこともあり、自身の経歴やスキルを簡潔にまとめた文書としても使用されます。レジュメは情報の整理や共有において重要な役割を果たし、効果的なコミュニケーションツールとして活用されています。
レジュメとアジェンダとの違い
ビジネスシーンにおいて使われる言葉のうち、レジュメとよく混同される言葉の1つが「アジェンダ」です。アジェンダは予定表や協議事項、行動計画などを指します。会議シーンにおいては、話し合うべき項目のリストやタイムスケジュールなどを記載したものがアジェンダとして作成され、会議の進行表としての役割を果たします。
それに対してレジュメは、会議の目的や発表者の話す内容を、参加者が理解しやすいように情報を整理・要約したものとして作成されるケースが多いです。つまり、レジュメは目的や話す内容をまとめた資料であり、アジェンダは議題や予定案をまとめた資料とされています。
ただし、実際の使用においてはアジェンダとレジュメの線引きは時に曖昧であり、文書の目的や文脈によって異なるケースもあります。
レジュメと議題との違い
「議題」とは、会議や討論において話し合うべき具体的なテーマやトピックのことを指します。議題は会議の目的を明確にし、参加者に対して何について話すべきかを示す重要な要素です。会議の目的やテーマそのものである議題は、レジュメやアジェンダなどにも記載されるケースがほとんどです。
要するに、議題は会議の中で何について話し合うべきかを示すものであり、レジュメはその話題に関する情報や詳細を伝えるための資料だと言いかえることもできるでしょう。
レジュメとサマリーとの違い
「サマリー」にもレジュメと同様に「要約・概略」といった意味合いがありますが、ビジネスシーンにおいては主に「報告」の意味で使われるケースが多く、既に行われた会議や出来事についてまとめた資料として使用されるのが一般的です。
レジュメとサマリーはどちらも要約や概要の意味を持つ資料ですが、レジュメはこれから行われる会議についての情報を整理した資料であり、サマリーは過去の出来事や情報をまとめて報告するための資料のことを指します。
レジュメの活用シーン
レジュメはどのような場面で使われるものなのでしょうか。具体的な活用シーンをご紹介します。
研究・教育分野
研究・教育分野におけるレジュメは、幅広く活用されています。例えば、授業の内容やスケジュールを要約した講義レジュメ、研究論文の内容を要約した論文レジュメ、研究テーマやプロジェクトの要点をまとめた研究レジュメなどがあります。
就職・転職活動
就職・転職活動におけるレジュメは、履歴書や職務経歴書の意味合いで使われるケースが多いです。自身の職歴や学歴、スキル、資格などの情報をまとめた文書が「レジュメ」と呼ばれ、自己PRや応募先企業へのアピールの手段として活用されます。
ビジネスシーン
ビジネスシーンにおけるレジュメは、会議やプレゼンテーションの際に参加者へ配布する、議題やプレゼン内容を簡潔にまとめた資料や、履歴書・職務経歴書としての意味合いで使われています。
会議におけるレジュメの必要性
前述のとおり、レジュメは様々なシーンで活用されています。この記事では、主に会議における要約資料としてのレジュメについて解説していきます。では、なぜ会議においてレジュメを作成する必要があるのでしょうか。その必要性について詳しく見ていきましょう。
参加者に会議のテーマを周知できる
会議においてレジュメがあると、参加者に会議のテーマを周知しやすいというメリットがあります。会議が始まる前に、要点をまとめたレジュメを参加者に事前に配布することで、会議のテーマや議題を効果的に周知できるため、参加者は会議に臨む前から何について話すべきかを理解し、議論や発言に備えることができます。
特に大規模な会議や複雑なトピックを扱う場合、参加者が議題やテーマを理解するのは難しい場合があります。しかし、レジュメを通じて事前に要点が提示されれば、参加者は議論に集中しやすくなり、有益な提案や意見を出しやすくなるでしょう。
会議進行の目安になる
レジュメに会議の中で話すべき内容や、各テーマごとの時間配分などを記載しておくことで、会議進行の目安にすることもできます。あらかじめ議論すべきテーマやスケジュールが把握できていると、参加者は会議の進行が予測しやすくなり、スムーズな議論が可能となるでしょう。
脱線を防いで会議を効率化できる
レジュメは会議において話題の脱線を防ぎ、会議を効率化するためにも重要なツールです。事前に会議において話すべき事柄をレジュメとして共有しておくことで、会議参加者全員が共通の情報を持ち、議論が脱線することを防ぐ役割があります。
また、進行時間の目安も可視化できるため、参加者全員が時間を意識できるようになり、会議の間延びも防ぎやすくなるでしょう。
会議におけるレジュメの書き方一例
ここからは、会議におけるレジュメの書き方について解説していきます。記載すべき内容の例をご紹介しますので、これからレジュメを作成する方は参考にしてください。
タイトル
レジュメの内容を簡潔に表すタイトルを記載します。タイトルは会議のテーマや発表するプレゼンの内容を明示し、参加者が一目で理解できるように工夫しましょう。また、何回かにわたって行われる会議の場合、その会議が何回目であるのかも書きましょう。
記入者
レジュメを作成した人の名前を記載します。これにより、質問や補足情報が必要な場合、誰に尋ねればいいのかが分かりやすくなります。
開催日時・場所
会議の日時と場所を明示します。適切な日程と場所が参加者に伝わることで、参加の準備がしやすくなります。
参加予定者
予定されている参加者のリストを掲載します。これにより、出席者と欠席者が把握でき、会議の進行計画や配布資料の枚数を調整できます。
議題(テーマ)
会議で話し合うべき議題やテーマを記載します。各議題は簡潔に記述し、参加者が明確に理解できるように心がけましょう。議題は、その会議における目的や方向性を示すものですので、読みやすいように目立たせて箇条書きで書いておくとよいでしょう。
具体的な検討事案
各議題について、具体的な検討事案や議論すべきポイントを記載します。これにより、参加者はどのようなことを検討すればよいのかが分かりやすくなり、事前に議論に備えて意見や提案を準備できるようになります。
添付資料
会議で使用する資料や文書がある場合、それらの添付ファイルやリンクをレジュメに含めます。参加者は事前に資料を確認できるようになり、お互いに共通の理解を持った上で議論ができるため、会議の進行もスムーズになるでしょう。
会議のレジュメ作成のポイント
最後に、会議におけるレジュメを作成する際に意識すべきポイントをいくつかご紹介します。下記のようなことに注意しておくと、読み手に内容が伝わりやすく効果的なレジュメを作れるようになるでしょう。
簡潔に要点を記載する
会議のレジュメを作成する際に意識すべきポイントの1つ目は、要点を簡潔に伝えることです。レジュメは一般的にA4用紙1枚分程度で作成するケースがほとんどですので、その中に必要な情報をまとめようとすると、冗長な表現を排除しなければならないことが分かります。簡潔さを実現するためには、以下の点に留意することが重要です。
まず、レジュメには長文を記載するのではなく、不要な詳細や重複した情報を排除して要点を押さえた、本質的な情報のみに絞り込んだ文章で記述しましょう。
次に、言葉の選択に注意を払います。明確で分かりやすい言葉を使用し、冗長な表現や専門用語を極力避けます。誰もが理解できる言葉を選び、わかりやすさを重視しましょう。
ただし、簡潔さだけを意識していては、内容が薄くなってしまうことも考えられます。読み手に対して「特におさえておいてほしい内容」を選び取って、具体的にまとめることを意識するとよいでしょう。
具体的な数値・データを入れる
会議のレジュメを作成する際に意識すべきポイントの2つ目は、具体的な数値・データを入れることです。レジュメは会議において議論や判断をするための参考資料となるため、データや数値を使用する場合は抽象的でなく、具体的で分かりやすいものを入れることが重要です。
例えば売上や来客数などを会議のテーマの1つとする場合は、その集計データを用いてレジュメを作成すると、参加者が具体的なイメージを持ちやすくなります。現状や目標を客観的に把握でき、議論のスムーズな進行にもつながるでしょう。
また、数値やデータを挿入する際はグラフやチャート、表などを用いて視覚的にまとめると、さらに分かりやすくなります。ただし、議題によっては数値・データが必要ない場合もありますので、データを入れることに重点を置きすぎないようにしましょう。
予定時間を記載する
会議のレジュメを作成する際に意識すべきポイントの3つ目は、予定時間を記載することです。開始時間・終了時間はもちろん、話し合うべきテーマに対して想定される所要時間を進行予定の目安として記載しておくことで、会議の進行がよりスムーズになります。
予定時間を記載しておくと、参加者それぞれが時間を意識しながら議論を進められるため、会議の間延びを防ぐことができます。また、議事録を作成する際にも会議の進行状況とテーマごとの話し合いにかかった時間を正確に記録できるため、会議の振り返りや評価が行いやすくなるでしょう。
読みやすいレイアウトを意識する
会議のレジュメを作成する際に意識すべきポイントの4つ目は、読みやすいレイアウトを意識することです。読み手に内容が伝わりやすいレジュメにするためには、文面が簡潔かつ具体的であることだけでなく、レイアウトも意識する必要があります。
- 一文の長さ:長文で記述するのではなく、要点をまとめた簡潔な文章を心がけましょう。レイアウトとしては、両端までいっぱいに一文を表示するのではなく、適度な位置で折り返すようなレイアウトにするとよいでしょう。
- 文字の大きさやフォント:テキストの文字サイズは、読みやすさに大きな影響を与えます。一般的に、本文の文字サイズは11ポイント以上が適しています。また、フォントは装飾性の高いものではなく、シンプルで読みやすいものを選びましょう。
- 見出しと強調:セクションの見出しや重要な情報を強調するために太字、斜体、下線などのスタイルを使いましょう。ただし、過度な強調は逆に読みにくさを引き起こすことがあるので、重要なポイントに絞って活用するとよいでしょう。
- 適切な配置:読み手が情報を負いやすくするために、関連する情報はまとめて配置し、順序や階層を意識した配置を心がけましょう。
- 図やグラフなどの活用:複難なデータや統計情報を含む場合、図やグラフを使用して視覚的に示すことが役立ちます。ただし、図表もシンプルで説明的なものを選び、キャプションや説明を付け加えましょう。
- テンプレートの活用:前回の会議のレジュメをテンプレートとして使用することで、一貫性のあるフォーマットを維持できます。また、オンラインツールやアプリケーションには、デザインのテンプレートが提供されていることもありますので、初めて作成する場合は活用するとよいでしょう。
読みやすいレイアウトは、参加者が会議の内容を迅速に理解し、議論に集中できるようにするために不可欠です。レジュメのデザインとフォーマットを工夫して、効果的なコミュニケーションを実現しましょう。
配布する前に誤字脱字などがないか確認する
会議のレジュメを作成する際に意識すべきポイントの5つ目は、誤字脱字がないか確認してから配布することです。レジュメは会議のテーマや内容を要約した資料であり、参加者はレジュメを参考にしながら議論に臨みます。そのため誤字脱字があると参加者の混乱を生み、会議の進行にも影響を与えてしまうことが考えられます。
作成したレジュメをなるべく早く参加者へ共有することも大切ですが、読み手に正確な情報を伝えるためにも、配布前には必ず誤字脱字や情報の誤りがないかを確認すべきだと言えます。
誤字脱字は作成者自身が読み返すと見落としやすいため、他の人に校正を依頼するか、時間をおいてから再度読み返すとよいでしょう。
まとめ
レジュメは情報の整理と効率的なコミュニケーションを実現するために欠かせないツールであり、うまく活用することで会議の時間をより有意義なものにすることができます。レジュメを作成する際は、この記事で解説した書き方のポイントを意識してみてください。
また、会議の際は議事録を作成して内容を記録しておくのが一般的です。議事録の作成は、AIが高精度で文字お越しをする議事録作成ツール「AIGIJIROKU」などを活用すると業務効率化を図れますので、ぜひ利用を検討してみてください。
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