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その他 記事更新日: 2024/05/16

スキマ時間で英語力を高める! ディクテーションのやり方とおすすめ教材

ディクテーション

「ディクテーションって具体的に何をするの?効果はあるの?」英語のリスニングスキルを伸ばしたいと考えている方は、このような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。リスニングスキルは自主学習で伸ばすのが難しく、スキルアップを実感しにくいため、なるべく有効な学習方法を取り入れたいものです。

そこで今回は、ディクテーションの効果や適切なやり方、おすすめの教材を紹介します。本記事を読んで適切なやり方や効果が高まるコツをつかめば、短期間でスキルアップを実感できるでしょう。「ディクテーションって本当に意味があるの?」という方もぜひ参考にしてみてください。

目次

ディクテーションとは?

ディクテーションとは英語の学習方法のひとつで、聞き取れた英語を一言一句書き起こすトレーニングのことです。一般的にリスニングスキルを伸ばす学習方法として知られていますが、適切なやり方で行えば英語力全体のスキルアップにもつながります。

ディクテーションのやり方としては、主に「全文書き起こし」と「穴埋め式」があります。全文書き起こしは英文を一言一句すべて聞き取って書き起こすやり方で、穴埋め式は英文のうち数か所の抜けている単語を聞き取り、埋めていくやり方です。

ただし全文書き起こしは、高いリスニングスキルだけでなく単語・文法などの知識も必要となるため、初心者には少しハードルが高いかもしれません。そのため、初心者は穴埋め式から始めて、慣れてきたら全文書き起こしに挑戦する、といった方法でディクテーションを行うとよいでしょう。

ディクテーションとシャドーイングとの違い

ディクテーションと似た英語学習法として、シャドーイングがあります。ディクテーションとシャドーイングは、ともに言語学習やスピーキングスキルの向上に役立つトレーニング方法ですが、そのアプローチや目的には違いがあります。

ディクテーションは、英文の音声を聞いてその内容を書き取る練習をする方法であり、主にリスニング力向上に効果的な学習方法だと言えるでしょう。ディクテーションは、聞く力と書く力を鍛えるのに適しているため、新しい言葉やフレーズの理解や正確なスペルを身につける際に活用されます。

一方、シャドーイングは、音声を聞きながら後を追ってその内容を口に出して真似る練習方法です。主にスピーキングスキルの向上を目的としており、発音やイントネーション、リズムなどの向上に効果があります。

このように、ディクテーションとシャドーイングはやり方も目的も異なる学習方法です。どちらか一方だけを集中的に行うのではなく、並行して取り入れるとより効果的な学習が可能となるでしょう。

ディクテーションは意味がない?

英文の聞き取りと書き起こしには時間がかかるものです。適切な学習方法で行わないと、スキルアップにつながるまでに多くの時間がかかってしまいます。

そのため、「一言一句すべて書き取る必要はあるのか?」「細かい部分まで聞き取れなくても、英語は理解できるのでは?」といった理由から、「ディクテーションは意味がない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ディクテーションによって聞き取れない部分やうまく発音できない部分が明確になると、英文への理解を深められるため、英語の勉強の一環として取り入れる価値は充分にあります。確実に英語力を伸ばすためには、適切な手順や効果的なやり方を知ることが大切です。

「なるべく短期間でスキルアップを実感したい」という方は、本記事で紹介するディクテーションの手順や効果を高めるコツをぜひ実践してみてください。

ディクテーションで得られる効果

ディクテーションで得られる効果はリスニングスキルの向上に加えて、苦手分野の克服や英語力全体の底上げが期待できます。ここからは、ディクテーションで得られる効果を詳しく紹介するので、自分の求める効果が出る学習方法か判断する参考にしてみてください。

リスニングスキルが向上する

ディクテーションは一言一句書き起こせるまで何度も英語を聞くため、リスニングスキルの向上に効果的です。普段はわかったつもりになって聞き逃していた文章も、集中して聞く習慣が身に付きます。

また、繰り返し聞くうちに英語特有の音のつながりや変化に耳が慣れるのも、リスニングスキルの向上に寄与します。聞き取れなかった箇所の原因を追求し対策をとれば、さらにリスニングスキルは高まるでしょう。

苦手な分野が明確になる

ディクテーションを通して、英語の苦手な分野を明確にすることも可能です。英語が聞き取れずに書き起こせなかった部分には、何かしら原因があります。例えば、英単語や文法の知識が不足している場合や発音のルールがわからない場合などが挙げられるでしょう。

ディクテーションでは原因を分析して対策を考える工程が必要なので、自然に自分の苦手分野に気づけます。ただ、聞き取れなかった原因の分析を怠ると、苦手分野は明らかになりません。「単語の知識が少ないのか」「英語の聞き取りが苦手なのか」などの原因を分析し、苦手分野を必ず洗い出しましょう。

英語力全体の底上げにつながる

ディクテーションを行えば英語力全体の底上げにもつながります。ディクテーションでは英語を聞き取るだけでなく、書き起こす工程も必要です。そのため、繰り返し英文を作ることで、ライティング力が上がります。

また、聞き取れなかった部分を前後の文脈から予測したり、次に読み上げられる単語を想像したりする推測力も身に付きます。推測力はリーディングやスピーキングに必要なスキルです。このように、リスニング以外の英語の能力もアップするので、英語力を全体的に底上げしたい人にもおすすめの学習方法です。

ディクテーションのやり方

ディクテーションは適切なやり方で行わないと、スキルアップの効果を感じにくいと言われています。例えば、聞き取りを一回で諦めたり聞き取れなかった原因を分析しなかったりすると、英語力はなかなか伸びません。

ここからは、ディクテーションの適切なやり方を紹介します。適切なやり方で行えば、スキルアップの効果が出やすくなるでしょう。

手順①音声全体を一通り聞く

まずは、音声全体を一通り聞いて、何について話しているか大まかな内容やテーマを把握します。話の大枠を知らないままでは、聞き取りと書き起こしを行うのは困難だからです。メモを取ったりテキストを見たりせず、耳を頼りに1~2回ほど聞くのがおすすめです。

手順②聞きながら書き起こす

話の大枠をつかめたら、早速聞きながら書き起こす作業に移ります。全文を一気に聞くのではなく、音声を文章単位で区切りながら聞いて書き起こします。単語単位や文章の途中で区切って聞いてしまうと、単語同士の音のつながりを聞き取る力や文法の理解につながりません。

また、パソコンやスマホで書き起こす場合は、予測変換により英語のスペルを覚えているかの確認ができない可能性があります。スペルの確認をしたい方は、手書きでの書き起こしがおすすめです。

手順③全体チェックと答え合わせをする

すべて書き起こしできたら、答え合わせをする前に全体のチェックを行います。スペルミスや文法の間違いなどがないか一通り確認し、何度も同じ間違いをしないように対策しましょう。

全体のチェックが終わったら、スクリプト(原稿)で答え合わせをします。聞き取れなかった部分はもちろんのこと、間違って書き起こした箇所やスペルミスなどがないかも忘れずに確認しましょう。

手順④聞き取れなかった原因を分析する

最後に聞き取れなかった原因を分析します。原因の分析は、英語力を伸ばすために最も大切なステップと言っても過言ではありません。英語が聞き取れない原因は、主に以下のケースが挙げられます

  • 知らない英単語が多い
  • 文法の理解が足りない
  • アクセントの理解が不足している
  • 英語特有の発音やつながりを知らない
  • スピードに追いつけなかった

聞き取れなかった原因を追求すると、自分の苦手分野が明確になります。弱点を克服するために必要な学習を取り入れ、リスニングスキルを含めた英語力全体の向上を目指しましょう。

ディクテーションの効果を高めるコツ

ディクテーションとは_003

ディクテーションによるスキルアップを最短で実感したいなら、コツを押さえる必要があります。ここからは、ディクテーションの効果を高めるコツを紹介します。

基礎的な文法や単語の勉強から始める

ディクテーションを始める前に、基礎的な文法や単語の勉強から取り組むのがおすすめです。中学・高校レベルの英単語や文法の知識が頭に入っていない状態では、スムーズに学習を進められません。音声だけが頼りなので、英単語や文法の知識をもとにしながら書き起こす必要があるからです。

基礎的な文法や単語が頭に入っていないままディクテーションを始めてしまうと、全く聞き取れない自分に嫌気がさし、モチベーションが下がるかもしれません。学生時代に勉強した方も忘れている可能性もあるため、一度英単語や文法の復習を取り入れるのがおすすめです。

聞き取れた単語から推測する

英文を一度聞いただけですべて書き起こすのは、ディクテーションに慣れた人でも難しいものです。一通り聞き終えたら、聞き取れなかった部分には意味的・文法的にどのような言葉が入りそうかを推測してから、再度聞き直してみるとよいでしょう。

推測することを習慣づけていくと、単に聞こえてきたものを書き起こすだけでなく、文の構造を考えながら聞くことができるようになり、よりスムーズに聞き取れるようになるでしょう。

慣れてきたら穴埋めではなく全文を書き起こす

ディクテーションは1回やればスキルが身につくというものではなく、継続して取り組んでいくことも大切です。全文書き起こしは難易度が高いため、初心者は挫折してしまわないように、穴埋め式からスタートするとよいでしょう。

ただし、全文を書き起こすディクテーションは、文章全体の構成や文法を学べるため、穴埋め形式よりも英語力のアップに効果的です。初めは穴埋め式から取り組み、慣れてきたら易しいレベルの教材から全文書き起こしに挑戦してみましょう。

勉強しやすい教材を選ぶ

ディクテーションの教材は、自分の知らない単語や文法が多く含まれるレベルを選ばないことが大切です。また、音声の長さは、1回につき30秒から1分程度と短いのがおすすめです。最初は難易度が低い教材を使って、慣れることから始めましょう。あわせて、答え合わせができるスクリプトが付いているかもチェックしてください。

教材を購入する前に、無料で使えるアプリやYouTubeなどを使ってみるのもおすすめです。自分のレベルに合う教材を見つけることが、楽しくディクテーションを続けられ、短期でスキルアップを実感するコツです。

音読やシャドーイングをあわせて行う

ディクテーションとあわせて、音読やシャドーイング(流れてくる音声に続けて音読する)を取り入れるのも効果的です。特に英語特有の音のつながりや変化、リズムに慣れていないことが原因で聞き取れない場合は、音読やシャドーイングで実際に発音するのがおすすめです。

実際に話すことで正しい発音の理解が深まり、効率的にリスニングスキルを伸ばせます。同時にスピーキングスキルも身に付くため、「英会話ができるようになりたい」という方は音読やシャドーイングもぜひ取り入れてみてください。

ディクテーションにおける弱点を克服するための対処法

ディクテーションでは、聞き取れなかった原因を分析して、弱点を克服する工程が大切です。原因別に応じて適切な対処法を取り入れると、苦手分野の克服につながり英語力全体を底上げできます。

単語や文法の知識不足

知識として知らない単語や文法が多いと、英文全体としても聞き取りづらくなるものです。単語や文法の知識不足が原因で聞き取れなかった場合は、知らなかった・理解できなかった単語や文法をメモしておき、学び直すようにしましょう。

発音の聞き取りに慣れていない

文字としては知っている単語や文法であっても、音声だと音の脱落や音同士がつながるリエゾンが起こることによって、聞き取れなくなってしまうこともあります。聞き取りに慣れていない場合、まずは音声変化のルールを学んだり、自分で発音してみたりして、英語の発音に慣れるとよいでしょう。

スピードに追いつけない

教材の音声スピードが速すぎて自分のレベルに合っていないと、聞き取りが追いつかなくなってしまいます。音声のスピードに追いつけない場合は、自分のレベルに合ったスピードと内容の教材に変えて、少しずつ取り組むとよいでしょう。シャドーイングを取り入れて、発話スピードに慣れるのも対処法の1つです。

ディクテーションで挫折しないための注意点

ディクテーションを行う際は、いくつか注意点があります。スキルアップを実感するためには継続することが大切なので、モチベーションが下がるような学習方法は避けましょう。

聞き返すのは最大でも10回にとどめる

ディクテーションは書き起こせるまで何度も聞き返すのが基本ですが、多くても10回程度で切り上げましょう。何度も聞いて書き起こせないところは、回数を重ねても聞き取れない場合が多いからです。時間だけが過ぎてしまいストレスも溜まってくるので、5回ほどを目安にするのがおすすめです。

いきなり長時間行わない

ディクテーションは、書き起こせるまで同じ音声を何度も聞き返すため、根気が必要な作業です。また、慣れていないほど時間がかかるため、初めの頃は短い音声でさえも苦労します。

いきなり長時間ディクテーションを行うと、脳に負担がかかって疲れてしまうでしょう。モチベーションが下がる原因にもなるため、なるべく短い音源を選び、毎日30分を目安に続けるのが大切です。

ディクテーションだけをやり続けない

ディクテーションだけをやり続けても、目に見えるスキルアップが実感できない場合もあります。なぜなら、聞き取れなかった原因の分析や、弱点を克服するための学習を怠ってしまうと、大幅にスキルが上がることがないからです。

また、場合によっては「一言一句聞き取らないといけない」という思い込みが生まれてしまい、リスニングに苦手意識をもつこともあります。ディクテーションに限らずですが、英語力はひとつの勉強法だけをやり続けるとスキルアップに限界がきます。まんべんなく学んだり苦手分野にあわせた学習方法を取り入れたりすることが大切です。

ディクテーションにおすすめの教材

次にディクテーションにおすすめの教材を紹介します。ディクテーション専用のテキストを使うと、適切なやり方が身に付き効率的にスキルアップできます。

ゼロからスタートディクテーション

「ゼロからスタートディクテーション」は、1日10分の書き取り学習プログラムで気軽に取り入れやすい特徴があります。短文や会話などさまざまな素材で学習でき、初心者でも勉強しやすい一冊です。TOEICなどのリスニング試験対策にも効果的です。

聞いて書きとる英語リスニング300問

「聞いて書きとる英語リスニング300問」は「読めるのに聞き取れない」という悩みを持つ方におすすめの一冊です。初級150問、中級100問、上級50問とレベル別の構成なので、徐々にレベルアップしながらリスニング力を鍛えられます。また、日本人にとって聞き取りにくいフレーズを中心に勉強できるのもうれしいポイントです。

究極の英語ディクテーションVol.1

「究極の英語ディクテーションVol.1」は発音と文法の2つのテーマで聞き取れない原因を分析できます。「自分ではどうして聞き取れないかわからない」という方でも、安心して学習できる教材です。また、早口の英語やなまりなど、聞き慣れない音声などにも挑戦できるので、応用力のアップも期待できます。

ディクテーションにおすすめのアプリ

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最後にディクテーションにおすすめのアプリを紹介します。隙間時間を使って学習したい方や、スマホで手軽に学習したい方におすすめです。

スタディサプリ

「スタディアプリ」は、ディクテーションを含んださまざまな英語学習ができるアプリです。リスニングスピードの変更ができるので、自分のレベルにあわせた速さを選んで学習できます。発音チェックやシャドーイングもできるため、英語力全体のスキルアップを目指したい方におすすめです。

ディクトレ

「ディクトレ」は、ディクテーションに特化したアプリです。無料でありながらも、充実した問題数とていねいな解説に定評があります。音声の長さは短めなので、初心者の方にもおすすめできます。気軽にディクテーションを試したい方はぜひ詳細をチェックしてみてください。

YouTubeや動画・音楽配信アプリなど

YouTubeなどの動画・音楽配信アプリでも、ディクテーション向けのチャンネルが作られていることがあります。日頃使用している動画・音楽配信アプリで気軽にディクテーションを始められるので、ぜひ取り組んでみてください。

また、洋画や洋楽でディクテーションに挑戦するのも1つの方法です。映画や音楽が好きな人にとっては、楽しみながら学習できる教材になるでしょう。ただし、ディクテーション用の教材よりも聞き取りづらいものが多いため、初心者向きではありませんので注意が必要です。

まとめ

ディクテーションとは英語の学習方法のひとつで、英語を聞きながら一言一句書き起こすトレーニングのことです。リスニングスキルの向上だけでなく、苦手分野の克服や英語力全体の底上げが期待できます。ディクテーションを始める前に、適切なやり方と効果を高めるコツを把握して、短期間のスキルアップを目指してみましょう。

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