「文字起こしの効率化に役立つアプリやソフトはないの?」これから文字起こしに取り掛かろうとしている方は、このような悩みをお持ちではないでしょうか。
そこで今回は、文字起こしのおすすめのアプリ・ソフトを紹介します。ツールの選び方も紹介しているので「手作業での文字起こしに限界を感じている……」という方もぜひ参考にしてみてください。
目次
文字起こしアプリ・ソフトの選び方
まずは文字起こしのアプリやソフトの選び方を紹介します。選び方を参考のうえ、自分に合うアプリ・ソフトを見つけてみてください。
用途
まずは、文字起こしのアプリやソフトの用途を確認しましょう。「とりいそぎ文字起こしだけできればいい」という場合は、無料ソフトや個人向けアプリを選ぶのがおすすめです。「議事録作成や文字起こししたものを編集したい」「作業の効率化を優先したい」という場合は、企業向けのアプリを選んだほうがストレスなく利用できます。
文字起こしの精度
文字起こしの精度が低いと、手作業での確認と修正に時間を要します。文字起こしの効率化を図るためには、精度の高いアプリ・ソフトを選びましょう。例えば、AIが搭載されていて、発言者が判別できたり専門用語の認識ができたりするツールを選ぶと、修正する手間がかかりません。
使いやすさ
アプリやソフトによって搭載されている機能は異なるので、自分にとって使いやすいかどうかを軸において選ぶのも重要です。特に文字起こししたデータの編集や共有のしやすさは、作業効率を左右するポイントです。
なかには特定の端末でしか利用できないものもあります。ビジネスの場面で活用する際はパソコンやスマホ、タブレットなど幅広く使えるツールを選ぶといいでしょう。
料金
料金は文字起こしアプリ・ソフトの利用頻度に応じて、どの価格帯がいいのか見極めることが大切です。使用頻度が低いなら、無料ツールでも満足しやすいでしょう。一方、業務の一環として文字起こしを頻繁にするなら、精度が高くて使い勝手のいい有料ツールがおすすめです。
文字起こしにツールを活用するメリット
文字起こしをする際は、手動で行うのではなくツールの活用がおすすめです。ツールを使えば時間の効率化が可能になり、より精度の高い文章を書けるようになります。ツールを使うメリットを3つにわけて紹介します。
効率が上がる
1つ目のメリットは効率が上がることです。手動で文字起こしをすると、どうしても作業に時間がかかります。1時間の会議の内容を文字起こしするのに、3〜4時間かかるといったことも考えられます。
しかしツールを使えば、自動で文字起こしができるので時間の短縮が可能です。浮いた時間を他の仕事にあてれば、生産性向上にもつながります。
多言語に対応できる
2つ目のメリットは多言語に対応できることです。文字起こしツールのなかには、多言語に対応しているものも存在します。海外の方と会議・商談をするときは、リアルタイムで翻訳できるツールを使うと意思疎通が図りやすくなるでしょう。
関係者に共有しやすい
3つ目のメリットは関係者に共有しやすいことです。ツールが文字起こしをしてくれるので、会議が終わったあとにすぐ内容を関係者に送付できます。
さらにツールによっては、データをクラウド上に保存できるものもあるので、メールで毎回送付するよりも共有の方法が楽になるでしょう。
完全無料で使いたい人向けの文字起こしツール5選
ここでは、完全無料で使いたい人向けにおすすめの文字起こしツールを4つ紹介します。それぞれの特徴を見てみましょう。
1:AI GIJIROKU
AI GIJIROKUは、AIが99.8%の高精度で音声認識を行う自動文字起こしアプリです。ビジネスシーンにおける議事録作成に特化したアプリで、Zoomと連携してリアルタイム字幕表示を行ったり、会議終わりにすぐ議事録を作成することができます。Microsoft TeamsやSlackなどのビジネスツールと連携して、文字起こしデータを簡単に共有できるのも特徴です。
有料プランを1週間試せる「無料トライアル」もありますので、気になる方は問い合わせてみてください。
2:Group Transcribe
Group Transcribeは、Microsoftが提供する文字起こし・翻訳ツールです。Group Transcribeに音声を聞かせると、リアルタイムで文字起こしを行ってくれます。AIにより高い精度で音声を認識してくれるのがポイントです。ただし、現在はiPhone限定のツールであり、Androidやパソコンでは利用できません(2022年8月時点)。
3:Googleドキュメント
Googleドキュメントは、Googleが無料で提供している文章作成ツールです。音声入力機能を使えば、パソコンやスマホのマイクに向かって話した内容を自動で文字起こししてくれます。
作成した文書はインターネット上に保存され、複数人が共同で編集することも可能です。手軽に利用できる反面「、」や発言者の判別ができないので手作業での確認・修正に手間がかかることもあります。
関連記事:Googleドキュメントで文字起こしをする方法|用途別の手順と注意点を解説
4:ユーザーローカル音声議事録システム
ユーザーローカル音声議事録システムは、マイクに話しかけた内容をテキスト化してくれるツールです。音声の文字起こしだけでなく、テキストマイニング技術を用いて分析された、よく発言されている単語や発言者の感情なども確認できるのが特徴です。ただ、利用する環境はGoogle Chrome上のみになるのでご注意ください。
5:Casual Transcriber
Casual TranscriberはMac OS専用の文字起こしツールです。通常、文字起こしをする際は、メディアプレーヤーとテキストエディタを別々で立ち上げ、音声の再生・停止と文字の打ち込みを交互に行う必要があります。
そこで、メディアプレーヤーとテキストエディタが一体になったCasual Transcriberを使うと、文字起こしの効率化が図れるのです。メディアプレーヤーの再生や巻き戻しなどはショートカットキーを設定でき、使いこなすと楽に文字起こしできるでしょう。
精度・機能重視の方におすすめの文字起こしツール12選
次に精度・機能重視の方におすすめの文字起こしツールやサービスを12個紹介します。それぞれの特徴を確認しながら、自社に合うものを探してみてください。
1:AI GIJIROKU
AI GIJIROKUは、AI機能を搭載した議事録自動作成ツールです。99.8%と高い音声認識精度を誇るため、手作業での修正の手間を削減できます。重要な発言をブックマークする機能や業種別の音声認識など、充実した機能が特徴的です。発言者の判別もできるので、文字起こしを見ただけで会話の流れがスムーズに把握できます。
2:スマート書記
スマート書記は、音声を活用して議事録作成の効率化を上げるクラウド型サービスです。発言の文字起こしだけでなく、決定事項やToDoサマリーを自動で抽出してくれるので、会議の要点をサクッと知りたいときに便利です。また、会議に頻出する言葉や専門用語を登録できる機能があるので、文字起こしの精度の向上に活用してみましょう。
3:Sloos
SloosはAIが自動で議事メモを作成してくれる文字起こしサービスです。音声登録をすると、最大10名まで発言者を判別したうえで文字起こししてくれます。2022年8月時点では、サービス拡大のため無償で利用できます。TeamsやZoomとの連携が可能なため、Web会議を頻繁に行う会社にとって使い勝手がいいサービスといえるでしょう。
4:文字起こしさん
文字起こしさんは、音声や動画ファイルをアップロードするだけで、自動で文字起こしが完了するソフトです。リアルタイムでの文字起こしではなく、音声データや動画を聞きながら文字起こしすることの多い方におすすめです。辞書登録を使えば単語の認識精度が向上するので、快適に使えるようにカスタマイズしていくといいでしょう。
5:RIMO Voice
RIMO Voiceは録音した音声データの文字起こし、録音ボタンを使ったリアルタイムの文字起こしのどちらも利用可能なツールです。1時間の音声データなら約5分で文字起こしが完了します。文字起こしのテキストの編集もできるので、わざわざテキストエディタやメモに貼り付ける必要はなく、RIMO Voice上で操作は完了します。
6:音声認識装置
音声認識装置は、録音しながらリアルタイムで文字起こしをしてくれる、iPhone向けのアプリです。高い精度で文字起こししたテキストはコピーができるので、メモアプリなどに貼り付けて手作業で編集ができます。また、テキストを手軽にSNSへ共有できるため、音声入力で投稿文を作りたい方にも使い勝手のいいアプリです。
7:COTOHA Meeting Assist
COTOHA Meeting Assistは、AI音声認識機能を使って会議の発言を文字起こしするツールです。会議のなかでタスクとして出てきた内容は自動的に「タスクラベル」がつき、次回までにやることが明確になります。
初期費用は0円、月額料金は5万円(税抜) で利用可能です。リアルタイムの文字起こしと音声ファイルの2つに対応しています。
8:One Minutes
One Minutesは多言語ミーティングの文字起こしに特化したツールです。10か国語に対応し、リアルタイムでの共同編集、及びWeb会議ツールとの連携ができます。
海外の担当者と頻繁にやり取りされる方におすすめです。最初の1週間は無料なので、お試しで利用するのもいいでしょう。
9:WITH TEAM文字起こし
WITH TEAM 文字起こしは、プロに文字起こしの代行を頼めるサービスです。最短翌日に納品してもらえるので、急な文字起こしの対応が必要なときにも安心して利用できます。
料金は1分あたり120円で、1分単位で依頼が可能 です。メールで依頼できるので、やり取りが簡単な点も魅力といえます。
10:OPTiM AI Voice Recorder
OPTiM AI Voice Recorderはマルチデバイスに対応し、AIが高精度の文字起こしをしてくれるツールです。スマートフォンやタブレット、PCなど端末を問わずに利用できます。
初回は無料トライアルを使えるので、利用してから本格的な導入を検討することをおすすめします。
11:ZMEETING
ZMEETINGは自動的な話者の特定機能や、辞書の階層化機能がついた文字起こしツールです。用語を登録したり、特定の語句を置き換えたりできるため、専門性の高いジャンルの使用におすすめです。
12:YouWire 音声認識
YouWire 音声認識は、録音した通話や会話を文字起こしするサービスです。YouWireのツールを使用して録音したデータをテキスト化する都合上、まずはYouWire自体に申し込む必要があります。
YouWireのサーバーで音声が暗号化されて一元管理できるため、商談の際や通話を録音しておきたいときなどに役立つでしょう。
公式サイトにお試し期間以降の料金が記載されていなかったので、記事内にも書いておりません。
スマホで手軽に使いたい人におすすめの文字起こしツール8選
スマホで手軽に文字起こしを完了したい方は、これから紹介する5つのツールをチェックしてみてください。それぞれの特徴を踏まえたうえで、使いやすいものを見つけてみましょう。
1:Notta
Nottaはリアルタイム・音声ファイルの文字起こしが可能なツールです。スマホにもパソコンにも対応しているので、場所を問わず使える点も特徴といえます。文字起こしのテキストは手軽に編集でき、共有している他のデバイスでもすぐに変更内容が確認できます。発言内容に「重要」などのタグをつけて、目立たせることも可能です。
2:Texter
Texterは音声だけでなく画像・動画の文字起こしができます。最新のAIによる精度の高い音声認識により誤変換が少なく、手作業での確認・修正の手間が削減されるでしょう。無料で試すことも可能なので、一度使用感を確かめてからプランを契約するのがおすすめです。
3:CLOVA Note β
CLOVA Note βはLINEが提供するAI音声認識アプリで、録音した声をテキストに変換してくれます。アプリをインストールし、スマホやタブレットで録音ボタンを押すだけで、録音・文字起こしをスタートできます。また、録音中に使える会話のブックマーク機能や、検索機能が搭載されているので、必要な情報はあとから簡単に見直すことが可能です。
4:オートメモ 文字起こしサービス
オートメモ 文字起こしサービスは、録音した音声ファイルを自動でテキスト化してくれるアプリです。動画や音声ファイルをブラウザからアップロードするだけで、AIにより文字起こしされたテキストが専用アプリに届きます。
1時間の音声なら、約20分で文字起こししてくれるので、手作業で行うよりも時間を短縮できます。なお、日本語だけでなく英語を含めた72言語で文字起こしができますが、翻訳機能としては使えません。
5:Recoco
Recocoは、録音データの振り返りのしやすさを重視したアプリです。講義やセミナー、打ち合わせなどを録音しながら文字起こしし、発言ごとに「ToDo」や「お気に入り」などのタグを付けられます。
録音データを振り返りたいときは、タブ別やキーワード検索で絞り込めば、該当の箇所をすぐに見つけられるでしょう。なお、現在利用できるのはiOSのみです。
6:Otter
Otterは英語の会話を文字起こしできるアプリです。講義や英会話、英語での会議などの利用に向いています。複数の話者の認識やテキストと連動した再生など機能が豊富なので、文字起こしする言語が英語ならOtterを選択肢のひとつに入れるのもおすすめです。まずは無料で始め、使い勝手がよければ有料プランに切り替えてもいいでしょう。
7:音声メモ
音声メモはAndroidに対応した文字起こしアプリです。音声の録音の他、話した内容を音声メモにしてくれる機能がついています。ダウンロード自体は無料でできるため、Androidユーザーで手軽にアプリを使いたい方に向いています。
8:Just Press Record
Just Press RecordはiCloudやSiriと連携して音声を録音・テキスト化できるアプリです。再生・録音・保存といったコマンドが感覚的にわかるので、すぐに文字起こしをしたい方におすすめです。アプリをダウンロードするのに800円の料金がかかります。
関連記事:iPhoneで文字起こしするには?ボイスメモ機能の活用法と無料で使える便利なアプリを紹介
文字起こしのポイント
文字起こしを行う際には押さえたいポイントがあります。ポイントを把握しておくと、文字起こしの作業時間を短縮できます。
音声を聞き取りやすくする
文字起こしに取り掛かる前に、対象の音声ファイルは聞き取りやすいように最適化しておきましょう。例えば、ノイズを取り除いたり聞き取りやすい再生スピードに調節したりすると、スムーズに作業が進みます。
また、音声を集中して聞ける環境を整えることも大切です。なるべく雑音の少ない部屋で、イヤホンやヘッドホンを用いると音声が聞き取りやすくなるでしょう。
まずは音声を一通り聞く
音声を聞き始めてすぐに文字起こしをするのではなく、最初に全体を一通り聞いておくのがポイントです。「どんなテーマか」「語り手は何を伝えたいのか」など全体像を把握できます。
全体像を理解したうえで文字起こしすると、聞き間違いや聞き逃しが減ってスムーズに作業を進められます。音声を一通り聞くときは、大切なポイントを箇条書きでメモしておくといいでしょう。
途中で音声を聞き直さない
作業中はなるべく音声を巻き戻して聞き直すのは避けましょう。聞き逃したりタイピングに遅れたりする度に音声を停止して巻き戻しすると、作業効率が下がってしまうからです。聞き直したい箇所はタイムスタンプを残して、あとから確認する方が効率的です。
タイピング速度を上げる
タイピング速度が速いほど、文字起こしの時間を短縮できます。タイピング速度を上げるためには、日頃の練習が重要です。あわせてショートカットキーや辞書登録を使いこなせると、作業効率は上がります。また、使いやすいキーボードを選ぶのも一つの手です。
ツールやアプリを活用する
最後のポイントは、ツールやアプリを活用することです。例えば、音声認識によって音源をインポートすると、自動的に文字起こししてくれるツールがあります。自動文字起こしツールを利用すれば、手入力する手間が削減できます。
また、音声の再生スピードが調節しやすいソフトを用いると、自分のタイピング速度にあわせて音声を流すことが可能です。聞き逃しやタイピング遅れが減り、作業効率が高まるでしょう。
関連記事:文字起こしを早くする方法は?効率化のコツと時短に使えるおすすめツールを紹介
文字起こしする注意点
文字起こしには、素起こし・ケバ取り・整文の3つの仕上げ方があります。文字起こしを仕事として受けたとき、どの仕上げ方が求められるのか確認することが重要です。
素起こし
素起こしは、音声データに最も忠実な仕上げ方です。「えっと」や「あのー」など意味が込められていない言葉もそのまま文字起こしします。その場の雰囲気や臨場感をそのまま伝えたいときに用いられます。
ケバ取り
素起こしから不要な言葉を削除することをケバ取りと言います。「うんうん」のような相槌など深い意味のない言葉を削ります。
その場の雰囲気を残しながら、読みやすい文章にできる仕上げ方です。ただし、言葉を削りすぎると話者の個性やその場の臨場感が薄れるため、バランスを取ることを意識しましょう。
整文
ケバ取りした文章の表現や言い回しを変えて、読みやすく整える仕上げ方です。話し言葉を書き言葉へ変更したり言葉を入れ替えたりします。例えば整文の場合は「A社の打ち合わせに行くんです。来週中に」を「来週中にA社へ打ち合わせに行きます」と修正します。
まとめ
文字起こしは議事録やインタビュー記事の作成、打ち合わせや講義の振り返りなどあらゆる場面で活用されます。文字起こしにはポイントがあり、作業に取り掛かる前には音声を一通り聞いたり、聞き取りやすい環境やアイテムを準備したりしましょう。
また、仕上げ方は3種類あるので、求められたレベルにあわせて使い分けることが大切です。本記事で紹介したおすすめのアプリやソフトを使いながら、文字起こしの効率化を目指してください。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。