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AI/人工知能 記事更新日: 2023/09/07

AIの種類を解説|機械学習や深層学習などの意味や実用例をご紹介

AIの種類

近年では、AIのすさまじい技術発展から、注目を集められているビジネスマンの方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし「AI」と一口に言っても、その種類はさまざまあります。

本記事では、そもそもAIとは何かについて解説いたします。また、AIの種類について「タスクレベル」「知能レベル」「技術レベル」に分類してご紹介いたします。

今後、AIはますます注目を集める分野です。ビジネスの場面でも活用される機会が増えてくると考えられます。本記事を通じて、AIについての理解をぜひ深めてみてください。

AIとは

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AI(人工知能)とは、一般的に「人間と同じように認識・理解・判断をするプログラムのこと」を意味します。一定のデータやルールに基づいて、自律的に処理を行いながら、その経験から学習をして進化をしていきます。

現在、AIはさまざまな分野で活用されています。たとえばSiriやAlexaのような音声アシスタント、テスラのような自動運転車などが代表例として挙げられるでしょう。また、直近ではChatGPTを筆頭としたAIチャットサービスも注目を集めています。

AIは日々、目まぐるしいスピードで進歩をしています。私たちの日常生活やビジネスシーンでも、今後大きな影響を与えてくると考えられます。社会課題の解決策、経済発展の武器として活用していくことで、より良い未来を築くための一助になることが期待されています。

AIにはさまざまな種類があります。どのような切り口で捉えるかによって、その種類は異なります。大きく分けて下記3つのレベルで分類されるのが一般的です。

  • タスクレベル
  • 知能レベル
  • 技術レベル

AIの種類について、それぞれのレベルごとに解説いたします。

AIの種類【タスクレベル】

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AIの種類は、実行するタスクのレベルに応じて「特化型」と「汎用型」の2種類に分けられます。

特化型

特化型のAIとは、限定された個別のタスク処理に特化したシステムのことです。たとえば代表的なものとしては、Google傘下のDeepMind社が開発した「AlphaGo(アルファ碁)」というコンピュータープログラムが挙げられます。2015年に同プログラムは、人類に初めて勝利した囲碁プログラムとして注目を集めました。また、音声認識の機能に特化したシステムであるAmazon社の「Alexa(アレクサ)」や、Apple社の「Siri(シリ)」も代表例として挙げられるでしょう。

汎用型

汎用型のAIとは、役割を限定せずに汎用的なタスク処理が可能なシステムのことです。明確な定義はありませんが、人間のように幅広いタスク処理をして、さまざまな推論が行えるシステムのことを表すのが一般的です。SF映画やアニメなどで登場するロボットキャラクターをイメージするとわかりやすいでしょう。完全な実用化は未だ実現していませんが、研究機関における開発は日夜行われており、実現に向けて一歩ずつ進化は進んでいると考えられます。

AIの種類【知能レベル】

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AIの種類は、知能レベルでも分類が可能です。一般的には「知能が弱いAI」と「知能が高いAI」に分けられます。この2つの概念はアメリカの哲学者であるジョン・サール氏が提唱したことが始まりと言われています。

知能が弱いAI

知能が弱いAIとは、自意識を持たないシステムのことです。たとえば先述した「AlphaGo(アルファ碁)」は自意識で囲碁を打つわけではありません。一部の動作では「プロでも説明が難しい」とも言われますが、基本的には一定のアルゴリズムに基づいて学習をするプログラムです。自意識(=自我)はなく、あくまで人間の与えた指令やデータをもとに動きます。

知能が高いAI

知能が高い(強い)AIとは、自意識を持つシステムのことです。与えられた指令をもとにタスク処理を行うだけではなく、自我を持ち、自ら創造的に汎用的な処理を行います。その意味では「汎用型AI」と近しいイメージであるといえるでしょう。知能が高いAIが開発されれば「シンギュラリティ」と呼ばれる現象が起きます。これは人間の知能レベルと同レベル(もしくはそれ以上)のAIが誕生する臨界点のことを意味します。アメリカの数学者であるヴァーナー・ヴィンジ氏は2045年にシンギュラリティを迎えると提唱しており、これは「2045年問題」として注目を集めています。

AIの種類【技術レベル】

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AIの種類は、技術レベルごとに「ルールベース」「機械学習」「深層学習」の3つに分けられます。

ルールベース

ルールベースのAIとは、事前にプログラムされたルールに基づいてタスク処理を行うシステムのことです。「もしAならばBを実行する」といった、形式的なプログラムを実行します。たとえば現在では「RPA(ロボティックプロセスオートメーション)」のように、事務作業の効率化ツールとして実用される場面が多いでしょう。

事前にルールが決められている場合には実用的ですが、そうではない場合にはルールの整備やデータの蓄積のために下準備が必要になります。また、大規模のプログラムでは大量のルールと、その依存関係を把握して保守運用をすることが求められます。

機械学習

機械学習とは、AIが自動でタスク処理のパターンやルールを学習するシステムのことです。学習したデータをもとに、未来予測やタスクの処理精度を向上させることができます。

たとえば身近な例としては、チャットボットによるお問い合わせ対応やコールセンターの自動返信対応などが挙げられるでしょう。これらの業務には、一定のルールやパターンが存在します。一方で例外的な対応も発生するため、さまざまな質問や回答方法をAIが学習することで、回答精度をさらに向上させることができます。

また、機械学習にはAIによる学習方法に応じて「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。それぞれの違いについて、下記で詳しく解説いたします。

教師あり学習

教師あり学習とは、正解となるデータ(教師データ)をAIに読み込ませる学習方法のことです。教師あり学習には「回帰」と「分類」という2つの概念が存在します。回帰とは連続する数値を予測することです。たとえば過去のデータをもとに「どれぐらい売れるのか」「何人ぐらいのお客様が来店するのか」といった需要予測に用いられます。一方で、分類とはカテゴリー予測のことです。たとえば過去の購入者プロフィールをもとに「顧客が商品を好むか好まないか」といった分類ができます。また、正しい画像データをもとに「製品に異常がないかどうか」を検査することも可能です。

このように、ラベル付けを行ったデータをAIに読み込ませることで、データの予測や正誤判断を実現できます。正しいデータが増えれば増えるほど、タスク処理の精度は高まります。

教師なし学習

教師あり学習に対して、教師データを与えない状態でAIに学習させる方法を教師なし学習といいます。正解となるデータを持っていないため、似ているデータをグルーピングすることは可能ですが、それが「正しいのかどうか」といった意味付けをすることはできません。そのため、教師あり学習のような正確な予測・正誤判断には向いておらず、データの特性を抽出する次元圧縮や共通項を把握するクラスター分析などに活用されます。

強化学習

強化学習とは、AIがデータをもとに価値(スコア)を最大化させる学習方法のことです。たとえば先述した囲碁や将棋のプログラムは強化学習に該当するでしょう。また、自動運転技術にも活用されています。さまざまな制約がある道路条件のなかで、無事故で目的地にたどり着くことを報酬として設定することで、より最適な運転を実現できます。

強化学習には「エージェント」と「環境」という2つの概念が存在します。エージェント(AI)は環境(エージェントが作用する空間)に対して行動をして、報酬を得ることで、さらなる学習を能動的に進めていきます。ポイントとしては、その時点で得られる報酬よりも、将来的に得られる報酬を最大化するように学習が進む点が挙げられます。

深層学習

深層学習(ディープランニング)とは、データの背景にあるルールやパターンを階層的に見つけて、学習する手法のことです。入力層と出力層の間に「中間層」を設けることで、複雑な情報でも構造的に整理して学習させることができます。十分なデータ量さえあれば、高度な学習が可能です。そのため、高度なデータ活用が求められる自動運転や医療研究などの分野で活用されています。

深層学習は、先述した機械学習と混同されやすい言葉です。しかし、この2つの学習方法はそもそも対比されるものではありません。深層学習はニュートラルネットワークという手法を活用して、さらなる分析を実現した技術であり、機械学習の技術のひとつに過ぎません。

AIを活用したシステムの種類

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Artificial intelligence technology. Business person working with AI. Laptop and AI illustration.

実際にAIを活用したシステムとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • 画像認識
  • 音声認識
  • 自然言語処理
  • ビッグデータの解析

すでに日常生活やビジネスシーンでも広く活用されているため、具体的な例とあわせて解説していきます。

画像認識

画像認識とは、対象物の色や形から物体の特性を判断して「それが何であるのか」を識別するシステムのことです。また、物体を認識するだけではなく、特定の物体が画像内の「どこに写っているのか」を検出することもできます。認識させたい画像を取り込み、正しいデータを学習させていくことで、識別・検出の精度を高めることができます。

画像認識は、下記のような技術で活躍しています。

  • 顔認証
  • 自動運転
  • 文字認識
  • 不良品検出

たとえば顔認証の技術は、ビルの入退室管理やコンサートでの成り済まし防止のシステムとして活用されています。また、自動運転の技術では対向車や人物などの物体検知システムとして活用されています。このように画像認識の技術レベルは高く、実用的なものとして世の中に浸透しつつあります。

音声認識

音声認識とは、人間の話した言葉を機械が自動的に認識をして、テキストデータとして変換する技術のことです。また、音声データから指示内容を理解して、プログラムを実行することもできます。画像認識と同じく、認識させたい音声データを取り込み、正しいデータとして学習させていくことで、その精度をさらに高めていくことが可能です。

音声認識は、下記のような技術で活躍しています。

  • 文字起こし
  • スマートスピーカー

たとえば文字起こしの技術は、ビジネスシーンでも活用されています。自動議事録ツール「AI GIJIROKU」では、ビデオ会議ツールと連携をするだけで、発言者と発言内容を識別してテキスト化することができます。法律・会計・ITなどの専門用語もAIが学習しているため、正しく記録することが可能です。

また、スマートスピーカーの技術としては「Alexa(アレクサ)」や「Siri(シリ)」などが代表的でしょう。人間が指示した内容を識別してプログラムを実行します。たとえば「リラックスする音楽を聴きたい」と伝えるだけで、AIが要望にマッチした音楽を選定して、自動で再生してくれます。

自然言語処理

自然言語処理とは、人間が使う言語(自然言語)をコンピューターが理解できる機械語として処理する技術のことです。別名「NLP(Natural Language Processing)」とも言われます。近年注目を集めるAIチャットサービスにも自然言語処理の技術が採用されています。この技術を活用することで、AIと人間の自然な対話が実現されます。

自然言語処理では、下記のような手順で自然言語が解析されます。

①形態素解析

➝文章を最小単位の単語に分ける

②構文解析

➝単語同士の関係性をもとに、考えられる構文を推測する

③意味解析

➝推測された構文をもとに、意味が通じる構文を絞り込む

④文脈解析

➝前後の文章を参考に、文脈を解析する

自然言語は今後さらに進化の道を歩むことが期待されています。とくに日本語のような特有の言い回しが存在する言語では、AIがデータを学習すればするほど、その精度は加速度的に向上していくでしょう。

ビッグデータの解析

ビッグデータとは、ビジネスや社会課題の解決に役立つ膨大なデータの集まりのことです。たとえばスマートフォンの位置情報データがそのひとつです。主要駅や繁華街における人流の増減から、観光対策や防災対策などに役立てることができます。

ビッグデータは、一般的に「Volume(量)」と「Variety(多様性)」と「Velocity(速度・頻度)」という3つのVを備えるのが特徴です。膨大な情報をもつビッグデータをもとに分析をすれば、精度の高いさまざまな予測に役立てることができます。一方で、データの量が膨大になればなるほど、データの選定やクレンジング(処理)に負荷がかかったり、セキュリティ対策が必要になったりなど、保守運用に注力することが求められるでしょう。

ビッグデータを解析・運用していくには、データの活用に長けた人材(データサイエンティスト)が必要になります。また、データはただ存在するだけでは意味を持ちません。「社会やビジネスに対して、どのように活用していくのか」といった視点で、データの活用方法まで考えられる人材が必要になるでしょう。

もちろん、このような高レベルなスキルを持つ人材はなかなか存在しません。社内で人材が不足している場合には、採用や外部人材の活用が求められますが、なかなか見つからない、もしくは予算的に依頼をするのが難しいといった場合もあるでしょう。会社として、中長期的な目線でデータ活用を進めていくことを考えると、自社での人材育成にも力を入れて取り組むべきだと考えられます。

音声認識技術を活用した「AI GIJIROKU」のご紹介

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本記事でご紹介したように、AIの技術はさまざまな場面で活用されています。近年ではとくにビジネスの場面で活用されるケースが増えてきました。

たとえば、弊社のサービスである「AI GIJIROKU」もそのひとつです。ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールと連携をするだけで、発言者と発言内容を認識して、議事録を自動で書き起こすことができます。大規模言語処理モデル「LHTM-2」を採用しているため、議事録は自動で要約されて、誰でも確認しやすい形式として保存されます。また、法律・会計・ITなど、あらゆる業界業種の用語を学習しているため、専門用語でも認識をして、正しく書き起こすことが可能です。

音声認識精度は99.8%と非常に高く、発言内容を正確に記録して、スムーズな情報共有を実現することができます。6,000社以上の企業でご利用いただいている実績から、貴社の使い方にあったご提案をいたします。

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