部署ごとの連携がとれていないと感じることはありますか?組織の中で孤立状態となる「サイロ化」が進んでいるかもしれません。個人の能力開発が組織の発展につながることで、投資をしている会社も多いでしょう。
しかしながら、IT化の加速と意識の上下に左右され、能力の格差が目立ち連携を嫌がる風潮も出てきやすいです。
そのような状態をサイロ化といい、時代の流れとともに注目されている言葉です。この記事では「サイロ化」の解説と起こりやすいデメリットをお伝えし、対処法までを紹介しています。
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サイロ化とは何か?
サイロ化とはシステムや業務プロセスなどが、他のアプリケーションや他事業部や部門との連携を持たずに自己完結して孤立してしまう状態のことを言います。
完全な孤立というのはありませんが、実際のサイロは連結部分が細くそれぞれ独立しているように見えます。ビジネス用語で使われるときは、統一感やバランスに欠けているときが多いです。
サイロ化の背景にはITの加速も影響している

IT化の加速により、人の連携がなくともシステム連携などで効率化ができるようになりました。一方で、部署ごとに達成できる業務が多くなれば、他部署との連携に加えて実績格差も出てきます。
実績格差は、社員のモチベーションの低下を招きます。なぜなら比較して全ての人が、やる気を出す人とは限らないからです。一つの価値観を押し付ければ、サイロ化が進行する原因を組織として作ることになるでしょう。
しかし、原因があれば解決策も見出しやすくなります。大切になるのは、問題と感じることの直視ではないでしょうか。サイロ化が進行すると起こりやすいデメリットをお伝えし、それぞれの解決策を解説していきます。
サイロ化が進行すると起こる4つのデメリット
サイロ化は独自の発展には良いですが、組織運営で使われる言葉としてはデメリットが多い部類になります。組織として運営していくには、統一感を持って業務に取り組んだほうが、企業価値も高まっていくでしょう。
この章ではサイロ化が進行すると起こりやすい4つのデメリットをお伝えします。デメリットを理解することで、根本の原因を解決しやすくなります。
重複業務が増えて非効率化する可能性

サイロ化が進行すると起こりやすいデメリット1つ目は、重複業務が増えて非効率になる可能性です。それぞれの部署が独立していると、他部署が行っている業務も把握しづらくなります。
すると連携が曖昧なので、重複する作業も自然に増えてしまうでしょう。
自社の提供サービス・質が低下しやすい
サイロ化が進行すると起こりやすいデメリットの2つ目は、提供するサービスや質が低下しやすいことです。部署ごとの連携が薄いと、会社全体のコンセプトが浸透せず独自の理念のように発展してしまうこともありえます。
意見の違いはコンセプトがずれていないことが前提で、サイロ化された組織なら提供するサービスの質の低下に繋がりやすくなるでしょう。どれだけ理念に伴った商品で価値を生み出すかを、意見の違いを受け入れながら理解を示すようにしていくことで、改善につながっていくことが見込めます。
会社の発展が個性より孤立になる
サイロ化が進行すると起こりやすいデメリットの3つ目は、個性より孤立になることです。
組織が大きいほど意見は多種多様になり、一つの筋を通して派生するのが理想的です。
それが個性になるが、連携ができていなければ「孤立」に変わっていきます。孤立化を招けば、商品やサービスの低下に加えて、自社内のストレス指数を上げていくことにも繋がりかねません。
すると連携していくことが苦になり、チーム性や組織力のメリットを活かすことができなくなるでしょう。日々の意見交換と方向性を合わせていくことで、会社の発展を目指す志も統一感が生まれてきます。
運用コストが多くなる可能性がある
サイロ化が進行すると起こりやすいデメリットの4つ目は、運用コストが多くなる可能性があることです。データの保管場所、システム導入など個別にしていれば組織ごとに運用コストがかかることが予測できます。
近年は、個人または部署の特徴を伸ばしていくことが、これからの時代に必要と言われています。一方で組織として統一感を出していくときには、デメリットとして浮かび上がってくるものです。
運用コストは、事業拡大・成長する中で必須な対策ですが「なぜ導入するのか?」という質問に対しての答えを明確にしていくことが必要となるでしょう。
サイロ化を防いで活かす4つの方法

デメリットがあることは、それだけ改善したり成長したりする要素があるとも言えます。
この章ではデメリットを認識して対処していく4つの方法について解説していきます。
組織のミッションを明確にする
サイロ化を防いで活かす方法の1つ目は、組織のミッションを明確にしていくことです。
・組織の理念を明確にして、中長期的にやっていくこと。
・短期間で決まるものではなく、個性を活かしながら考えていくことが大事。
組織と社員がサイロ化を防いでいくためには、次のような質問に答えていき、日々の積み重ねが重要になってきます。
1.組織全体のゴールは何でしょうか?
売上を上げることを第一に考えるとしたら、具体的な行動までを部署または人毎に落とし込んでいくようにします。
2.そのゴールを遂行するために必要な今の取り組みは何だろうか?
現状の課題を受け入れて認識することから始まります。課題がわからなければ、目的地がない車の運転と同じで迷いやすくなります。課題を明確にすることから始めていきましょう。
3.取り組むことによって、どんなことを実現したいのか?
実現したいことは、やりながらわかってくるものもあれば、問いかけでわかってくるものもあります。時間を使い、定期的な問いかけが、納得した答えに導いてくれるでしょう。
このような問いかけを自らしていくことで、組織の特徴や活かし方が見えてきます。方向性が決まってくれば、サイロ化を防ぐ有効な役割を示してくれるでしょう。
共有の場を設け報告会を避ける
サイロ化を防いで活かす方法の2つ目は、共有の場を設けて報告会を避けることです。
共有の場を設けてあっても、報告会ではサイロ化と同じ状況を作りかねません。報告したことに理解を示すとともに、できること、できないことをはっきりとさせて連携できる場所を見つけていくことが目的になります。
時間を作ることに抵抗を感じるかもしれませんが、目的ある会議にしていくことも、積み重ねが必要です。トライ&エラーで試しながら動いていき、結論を出すことに焦りを感じないよう取り組んでいくと良いです。
楽しむ空間を作るよう心がける
サイロ化を防いで活かす方法の3つ目は、楽しむ空間を作ることです。セキュリティ関係や真剣度が求められることは除いて、より良くするためには、楽しむことが必要です。なぜなら、義務的な業務をこなすだけになっていくからです。そうなれば、個人の意見を出すことに抵抗を感じ、諦めながら仕事をしていく環境を作り出すことになりかねません。
楽しむ空間を一つ定義すると「否定を生み出さない空間」です。
自由な意見が必要なときは「否定」が入ると、その人の本心から出る言葉で話すことが難しくなります。
とくに会議で新商品の開発などにおいては、出てきた意見を否定しないことで、リズムが生まれて納得がいく施策が出やすくなっていくでしょう。
調整に適役な人を育成する
社内の調整ができる人は、客観的または抽象的に見ることが上手にできる。その人材を育てるとともに、個性として発掘していくことが共通の認識を持つようになる。孤立を活かすことも可能になってくる。
育成または人選のポイントは次のとおりです。
業績や人の評判だけで判断をしないこと
業績や人の評判はあくまでも一つの判断材料にしておくと良いです。なぜなら、この理論で人選や育成をすれば「業績が良ければ調整も上手」という固定概念になっていくからです。
すると、人材の育成は「成果主義」だけになり、社員のポテンシャル(潜在的能力)が、方針だけで自動的に決められることになります。
人材の育成には、相手に求めることばかりでなく、決める側にも変化と多角性に優れた目線を持つことで、双方が成長していく土台を作ることが可能となるでしょう。
まとめ
個人の能力開発が注目される中で、サイロ化という孤立の課題はついてきます。組織として孤立化が進めば、望んでいる方向と逆の結果を得ていくことになるので、定期的に目的を持った会議等を実施することが、サイロ化を防いでくれるでしょう。

AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。