インタビュー記事は、話し手の思いを熱量高く届けることができるコンテンツです。しかし、取材した内容をどうやって記事にまとめればいいのかが分からず、悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。
インタビュー記事の執筆には、まとめやすい流れがあります。読みやすい記事にまとめるコツと合わせてご紹介しますので、書き方の参考にしてください。
目次
インタビュー記事執筆のまとめやすい流れ
取材時の会話をただ書いていくだけでは、上手くまとめられないものです。読者にとっても「何が伝えたいのか」が分かりづらい記事になってしまい、せっかくのインタビュー記事の効果が薄れてしまいます。まとめやすい記事執筆の流れに沿って、話し手の思いがしっかりと伝わる記事を書きましょう。
文字起こし(テープ起こし)をする
録音した音声データを聞き返して文章にする作業のことを、文字起こし(テープ起こし)と言います。インタビュー取材が終わったら、できるだけ早いうちに音声データや取材時のメモをテキストに落とし込みましょう。
一般的に、文字起こしにかかる作業時間は録音時間の約4倍と言われています。取材者と執筆者が異なる場合や、文字起こし初心者の場合はさらに時間がかかることもあります。記事の公開予定日から逆算して、早めに作業をスタートするのがおすすめです。
なお、自動で文字起こしをしてくれるツールを活用すると便利です。AIGIJIROKUはパソコンやスマホで使えるツールで、AIが人の声を聞き分けて99.8%の高精度でテキスト化します。音声データの取り込みにも対応していますので、ぜひ利用を検討してみてください。
関連記事:失敗しないインタビューの録音方法を解説|ツール選びと環境作りも紹介
記事の形式を考える
文字起こしとメモのテキスト化ができたら、インタビュー記事の形式をどれにするか考えましょう。代表的なのは対談形式・一人称形式・三人称形式の3種類です。それぞれにメリットがありますので、目的に合わせた形式を選びましょう。
対談形式
取材時の会話を文章にしていく方法で、Q&A形式とも呼ばれています。会話調でインタビューの空気感を伝えつつ、自然な流れで読み進めやすい記事にすることができます。基本的には文字起こししたものを整えて編集していく書き方になるため、初心者でも書きやすいのが特徴です。
一人称形式
インタビュアーは登場せず、インタビュイー自らが語るコラムやエッセイ記事のように書く方法です。モノローグ形式とも呼ばれています。インタビュイーが読者に直接語りかけるような記事にできるため、人柄を表現したいときや、メッセージ性の強い記事にしたい場合に向いている形式です。
三人称形式
会話をそのまま書き起こすのではなく、インタビュアーが第三者視点から論評するような形で書く方法です。ルポルタージュ形式とも呼ばれ、ニュースや時事ネタの記事に向いています。論理的・客観的に書く必要があり文章力は求められますが、内容が濃く説得力のある記事にしたい場合は、三人称形式を選ぶとよいでしょう。
導入(リード文)を書く
形式が決まったら、まずは導入部分(リード文)から書き始めましょう。記事の一番初めに、「インタビュイーはどういった人物なのか」「この記事は何を伝えたいのか」といった簡単な概要を書きます。概要があると読者は心構えができて、最後まで読み進めやすくなります。
ただし、導入部分は必ずしも最初に書き始めなければいけないわけではありません。最後に書くという方もいるでしょう。文字起こしをした段階で記事の方向性を定めるために導入部分を書くのか、本文を書き終えた後でかいつまんだ内容を導入部分に入れ込むのかは、実際に書いてみると合うやり方が見つかるはずです。
記事本文の構成(ストーリー)を組み立てる
記事本文を書くときは、まず話の流れを整理して構成を組み立てるとまとめやすくなります。文字起こしした内容を読み直して、書かれていることによって「プロフィール」「今やっていること」「将来の展望」といったように大まかな見出しを付けて分類していくとよいでしょう。このとき、最も伝えたいメッセージは最後に寄せておくと、より効果的な記事になります。
大まかな分類ができたら、記事の中でストーリーが生まれるように並べ替えていきます。インタビュー記事は質問順の通りに書いていく必要はなく、読者に伝わりやすくなるように入れ替えて書いても問題ありません。発言の意図から外れてしまわないように注意しながら、話の流れがスムーズになるように整えましょう。
文章を整える
ストーリーの構築ができたら、文章のつながりや表現方法を整えて、読みやすい記事にしていきます。聞いた内容を全て盛り込むのではなく、情報の取捨選択を行いながら、インタビュイーが伝えたいメッセージは何なのかを意識して書き進めるようにしましょう。
校正する
書き上がった記事は、誤字・脱字チェックやファクトチェックなどを行います。自分自身で校正するのもよいですが、他者に依頼してチェックしてもらうと、より間違いに気付きやすくなります。自分で校正する場合は、記事内容が頭に残っている間にするよりも、少し時間を置いてから新鮮な気持ちで見直すのがおすすめです。
完成後はインタビュイーにも確認してもらう
校正まで完了したら、インタビュイーにも内容をチェックしてもらいましょう。発言の意図と異なる書き方のまま記事を公開すると、トラブルの原因にもなりかねません。確認は丁寧に行い、チェックが済んでから公開するようにしましょう。
読みやすいインタビュー記事にまとめるコツ
読みやすいインタビュー記事を書くには、ちょっとした工夫が必要です。ここからは、読者から見て読みやすい・読みづらいと感じやすいポイントを解説しながら、まとめ方のコツをご紹介します。
目的に合った記事の形式を選ぶ
インタビュー記事は、その内容はもちろん形式によっても読者に与える印象が変わります。記事を発信することで伝えたいメッセージは何なのか、それが読者の心により響きやすいのはどれなのかを考えた上で、目的に合った記事形式を選びましょう。
話し言葉を書き言葉に
対談形式のように会話を文章にする場合であっても、話し言葉がそのまま使われていると読みづらく感じてしまいます。一文が長すぎたり、途中で主語がすり替わっていることが多々あるからです。発言の意図が変わらない程度に編集することで、すっきりとした記事になります。
ただし、話し言葉をまったく入れてはいけないわけではありません。話し言葉はその場の空気を伝えたり、話し手の人柄を表現するのに向いています。そのため、ターゲットとなる読み手の層や正確性が求められるかどうかなどを意識して、うまく使い分けていくのがよいでしょう。
専門用語に注意
事前情報や専門的な知識がないと分からない専門用語・業界用語は、読者に伝わらない可能性があります。補足を加えながら専門用語を盛り込むのも良いですが、多用してしまうと内容が伝わらず、読みづらさを感じてしまいます。
自社の社員にインタビューする場合など、共通した知識を持った相手同士でのインタビューでは、こうした用語が頻出します。執筆の際に「この言葉は読み手に伝わるか?」といった視点を持ち、必要であれば一般的な用語に書き換えるよう心がけましょう。
起承転結のある構成を考える
記事の中にストーリー性があると、読み物として面白くなり、インタビュイーのメッセージもより印象的に伝わります。そのためには、起承転結の要素が盛り込まれた構成にするのが望ましいです。
例えば社員インタビューだと、「会社と出会ったきっかけ→現在の仕事について→仕事で苦労したこと→その解決策と今後の目標」といった流れを作ると分かりやすいでしょう。
人柄が見えるエピソードも盛り込む
取材中に思いがけず聞けたこぼれ話や、意外なエピソードなども盛り込むと、その人らしさが表現しやすくなります。主体となるメッセージを大切にした上で、そこから脱線したエピソードも少し入れると、人の温かみが感じられる印象的な記事になるでしょう。
レイアウトを工夫する
読みやすいインタビュー記事にするためには、文章だけでなくレイアウトにも工夫が必要です。見出しと本文でサイズを変えてメリハリをつけたり、適度に写真を差し込んだりと、読み進めやすくなる方法は数多くあります。
どのようなレイアウトがよいのか分からないという方は、デザインテンプレートを探して活用するのが効果的です。写真や見出しの配置、フォントサイズなどがパターン化されているため、簡単に読みやすい記事を作成することができます。
掲載する写真も重要
記事に盛り込む写真は、文章の内容を補足して、記事の印象をアップしてくれる大切な要素の1つです。インタビュー記事では、取材風景を撮影して掲載するパターンがほとんどです。適度に写真を差し込むことで、長文の記事でもメリハリがついて読み進めやすくなります。
取材風景を撮影する場合は、できるだけ自然光が入る明るい場所で撮ると、明るい印象になります。その場で撮影せず、話の内容に合わせた写真を掲載する場合は、できるだけ明るいものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
インタビュー記事をまとめる一番のコツは、読者に伝えたいメッセージを常に意識しながら書くことです。その上で起承転結を盛り込んだストーリー性のある流れを作ると、印象に残る記事になります。
今回ご紹介したまとめ方は、あくまで一例です。書きやすい方法は人によって異なりますので、ぜひ自分なりの方法を探してみてください。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。