スマートスピーカーや音声アシスタント、画像解析やイラスト生成など、近年耳にする機会の増えたAI(人工知能)。1950年ごろから研究の始まったAIですが、近年急速な発展を遂げています。未来の技術と思われていたAIですが、すでに多くの業界で活用が広まっています。
この記事ではAIについての概要と学習方法、すでに始まっている活用事例を紹介します。
目次
AI(人工知能)とは
AI(人工知能)とは、コンピューターなどの技術を用いて、人間が行う知的な作業を模した働きを行う研究分野のこと。
AIは膨大なデータを処理することができ、学習内容によっては人間が判断するのに比べて高速かつ正確な判断を行えるのが特徴です。2023年現在でも、音声認識や画像認識、翻訳ソフトウェアなどさまざまな分野で利用されています。
AIは何の略?
AIとは、Artificial Intelligenceの略称です。Artificial(人工的・人造の)+Intelligence(知能・知性) で人工知能を指す言葉として浸透しています。
AIの定義は
AIの定義は一般社団法人 人工知能学会では「大量の知識データに対して高度な推論を的確に行うことを目指したもの」と定義されていますが、研究者や機関によって異なることが多く、厳密な定義は決まっていません。
多くの情報を取り込んだ上で人間のような知的なふるまいを人工的に再現したもの、という意見が多いようです。
例えば、「単語のイメージから画像を生成」「音声を聞き取り、自動で文章に書き起こす」などもAI技術に分類されます。
AI(人工知能)の歴史、これまでの歩みを説明
AI研究の歴史は古く、1950年ごろから研究が行われていました。
この項ではAI研究の歴史とこれまでの歩みを紹介します。
第一次ブーム(1950年代〜60,70年代)
AI研究のはじまりは1956年に行われたダートマス会議。この時期から1970年代初頭まで人工知能研究は第一次ブームを迎えます。60年代にはコンピューターによる推論や探索が可能になりました。パズルやルールの明確なゲームなどで、特定の問題を解くことができましたが、AIの理論的な限界もあり複雑な問題解決はできないと判明し、次第にブームは廃れてしまいます。
第二次ブーム(1980年代〜1990年代)
1980年代に入り、研究用の高速コンピューターが登場したことで、第二次AIブームが巻き起こります。知識としてデータを与えることで、より専門的なシステムの研究が進みました。90年代にはAIの商用化も進み、97年にはチェスAI「ディープブルー」がチェスの世界王者に勝利し、世界的に注目を集めます。
第三次ブーム(00年代〜現在)
00年代からインターネットの世界的な普及によって、インターネット上のデータが増加。コンピューターの性能が大幅に上昇し、膨大なデータをAI自ら学習する「機械学習」や「ディープラーニング」が進んだことで、AIの性能が更に上がりました。
2010年代にはディープラーニング技術が進歩したことで、AI研究は急速に発展。自然言語処理(人が使う言語)や画像認識などの精度も上昇しました。2022年には自己学習型のAI開発がより進み、自動翻訳や画像生成などAIは飛躍的な進化を遂げました。
AIの仕組みを解説
AIは膨大なデータを記録することで、人間のような知的なふるまいを見せます。では、AIはどういった方法でデータを集めるのでしょうか? AIの学習方法には人間が定義したルールを基にAIが判断する「ルールベース手法」など、いくつかの種類が存在します。この項では、2023年現在主流となっている「ディープラーニング」を含めた機械学習について説明します。
機械学習
機械学習は、AIがデータやルールなどのパターンを学習し、自ら学習や予測を行うための技術です。機械学習は主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つの方法に分けられます。
関連記事:機械学習とは?AIやディープラーニングとの関係性、活用事例を説明
教師あり学習
教師データと呼ばれる、入力したデータと出力したデータが対になったデータを用いて、モデルを学習する方法を「教師あり学習」といいます。教師データを用いることで、正しい出力データとの誤差を少なくするようにパラメータを調節し、モデルを学習できます。画像認識や音声認識、自然言語処理など、幅広い分野で利用されている学習方法です。
ディープラーニング
ディープラーニングは教師あり学習の手法の1つとして位置づけられている学習方法。多層的なニューラルネットワークを用いて、AI自体がデータから自動的に学習します。学習のためには大量のデータが必要で、学習に時間がかかりますが、通常の機械学習よりも精度が高いのが特徴です。
教師なし学習
教師なし学習とは正解のデータが無く、自動的にデータの構造やパターンを見つけるように学習する方法。教師データを用いず、データ同士にある相互関係を見つけ出しデータの特徴や傾向を把握します。
強化学習
強化学習とはエージェント(学習させるAIやアルゴリズム)が与えられたデータを元に試行錯誤を重ねることで、タスクを実行できるようになる学習方法。「教師あり学習」と似ていますが、与えられたデータを学習するだけではなく、価値を最大化することを重視して学習させるのが強化学習です。
ニューラルネットワークとは?
ニューラルネットワークとは、人間の脳神経の動きを模して設計された数学モデルを指す言葉です。ディープラーニングはニューラルネットワークの一種で、多層のニューラルネットワークを学習させることで、人間に近いような高度な処理が可能になっています。1980年代にはニューラルネットワークは存在していましたが、当時のコンピューターではデータが足りない上に計算処理能力が追いつかず、思うような成果が得られませんでした。近年になって大量のデータがあり、コンピュータの計算能力が向上した結果、ニューラルネットワークの活用が進みました。現在では画像認識や音声認識の分野などで広く活用されており、ディープラーニングの基盤にもなっています。
AIになぜ注目が集まるのか
近年急速に発展を遂げ、人間の知能を模倣することで、より複雑な問題の解決に取り組める可能性が高まっているAI技術は、自動化や効率化などの面で特に期待されており、さまざまな業界から注目を集めています。製造業では自動化による生産効率の向上、医療分野では疾患の早期発見や診断の支援など、すでにAIが活用されている事例も多く見受けられます。
関連記事:AIで生産性向上は実現可能?導入するメリットや向いている業務を解説
決して”未来”ではないAI活用の今
AIの活用は世界中のさまざまな分野ですでに始まっており、発展を遂げています。
医療分野
症状や画像からどんな病気か診断する支援や、レントゲン写真などを解析して病気の早期発見や治療の有効性を評価、薬剤の開発支援、予防医療など、医療分野でのAI活用も進んでいます。
小売・流通
小売や流通でもAIは活用されています。通販サイトなどでは購買履歴や閲覧履歴から、顧客がどういった商品を求めているか分析し、おすすめとして表示するなど、販売促進で活用。需要の予測を行うことで、在庫ロスの削減などにも役立っています。自動化によって物流の最適化、商品の品質管理など流通分野でもAIは欠かせない存在です。
イラスト・音楽製作
イラストや音楽など芸術分野にもAI技術は進出しています。いくつかの単語を条件として与えることでイラストを生成するサービスや描いたイラストの着色などを行うAIサービスなど、すでに多くのイラスト製作・補助のAIサービスが発表されています。
ただし、AIの学習元が明示されていないサービスも多く、他人の創作物を無許可で読み込ませているケースもあるようです。法整備が進んでおらず、倫理的にもグレーな部分が多いため、サービスの利用には注意しましょう。
製造
製造やロボット分野では、AI技術を用いることで生産ラインの自動化や品質管理など、作業者の負担軽減が進められています。画像解析技術によって、欠陥や不良部品なども人の目よりも正確に検出できます。
音声認識
近年身近な存在になっているスマートスピーカーや音声アシスタントなどは、AIによる音声認識技術で成り立っています。音声の特徴を解析し、即座にテキストに変換することで会話のような処理を行います。擬似的な会話を楽しむサービスもあれば自動で議事録を作成してくれるサービスなど、ビジネスの場で利用しやすいサービスが多いのも特徴です。
関連記事:AI活用で業務効率化!どんな業務が対象?導入のポイントまで解説
すでに始まっているAIの活用。AI導入は身近なところから
さまざまな分野で始まっているAIの活用。ビジネスの場での導入も進んでいますが、いきなり他部署にまたがるような大掛かりなAI技術の導入は難しいでしょう。コストや費用対効果を測るためにも、身近なところからAIを導入するのがおすすめです。
会議や商談など、オンラインで行うことが増えた近年、記録自体は録画や録音などで簡単に行なえますが、後から確認する場合や共有する場合には文字起こしが必須です。
録画や録音の書き起こしは、人によって話すスピードが変わってしまったり、音声が不明瞭だったりと、実際の会議・商談時間よりも多くの時間がかかってしまいます。
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導入しやすく、すぐにAIの便利さを体感できる「AIGIJIROKU」はAI導入のファーストステップとしておすすめです。
まとめ
業種・業界、国や地域を問わず、さまざまな場所で活用されているAI技術。「人の代わりにロボットが働く」など、フィクションで描かれた未来はすぐそこまで来ているのかもしれません。
AI技術の便利さを体感するには、実際に利用してみると良いでしょう。身近なところからAI導入を進めるのなら「AIGIJIROKU」がおすすめです。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。