一般的なインタビュー記事には、写真がつきものです。インタビュー写真は、文章だけでは伝えきれない人物の魅力やストーリーを伝えるために重要な要素です。適切な構図と撮影のテクニックを使えば、表情や姿勢、環境などを効果的に捉えることができます。
この記事では、インタビュー写真を撮影する際に考えるべき要素や構図のアイデア、撮影のコツをお伝えします。特別な機材やテクニック無しでも取り組めるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。素敵な写真を撮影して、取材対象者の魅力を効果的に伝えましょう。
目次
インタビュー記事における写真の必要性
インタビュー記事は、読み手にメッセージや人物の魅力を伝えるという目的を持っています。その目的において写真には、情報の補完や視覚的なインパクトを与えて、文章だけでは伝えきれない魅力を伝えるという役割があります。
読み手に向けて取材対象者のイメージを具体的に伝えるためには、写真が有効です。例えば、人物の表情や仕草、場の雰囲気などは、写真があると生き生きと伝わりやすくなります。また、写真があるとインタビュー記事の信憑性を高めることもできるでしょう。
見出しや文章だけでは読者の興味を引きづらい場合でも、魅力的な写真があれば目を引くことができます。写真は読者の注意を引きつけ、記事全体への関心を高める役割を果たします。
インタビュー記事においては、文章だけでなく写真を掲載することで、人物の魅力や記事で伝えたいメッセージがより一層伝わりやすくなるのです。そのため、インタビュー写真は必要性が高いものであると考えられます。
インタビューの前に考えるべき写真の要素
ここからは、実際にインタビュー写真を撮影するにあたって検討すべき事柄について解説していきます。まずは、インタビューを実施するより前に、あらかじめ考えておくべき要素を押さえておきましょう。
インタビュー記事といっても、発信相手や掲載する媒体、取材内容などによって、必要となるカットはさまざまです。前提条件をもとに撮りたいイメージをある程度固めておき、どのようなカットが必要になるのかを考えていく必要があります。
写真の構図
まずは記事の構成をもとに、写真の構図はどのようなものがいいのかを考えましょう。
- 縦位置か横位置か
- あらかじめ定められている画像サイズや縦横比はあるか
- 画像に記事タイトルや人物名などの文字を載せるのであれば、そのための余白を空ける必要があるか
- 引き・寄り・人物の顔・作業中の様子・店舗外観など、どのようなカットを何枚押さえておくべきか
同じような構図の写真が何枚も続くと、単調な記事になってしまいがちです。後ほどご紹介する構図アイデアを参考に、どのような写真があると記事にリズムが生まれるかを考えて、撮るべき構図をある程度検討しておくと撮影がスムーズになります。
インタビュイーのポーズや表情
構図と合わせて、どのようなポーズや表情の写真があると良いかを考えておきましょう。例えば、明るい笑顔が適したシーンもあれば、真剣な話をしている場面ではそれに相応しい真剣な表情の方が適していることもあります。
話しているとき、取材内容に関する作業をしているとき、商品や店舗などを紹介している様子、といったようにいくつかのシーンを想定した上で、ポーズや表情のバリエーションを考えておくとよいでしょう。
撮影場所のロケハン
撮影場所があらかじめ分かっている場合は、現地に直接行ってロケーション・ハンティングをしたり、地図や室内の配置図を見たりして、どこで撮影するのが良いかを検討しましょう。
撮影に適した場所の例としては、明るい光が入る窓の近くや、背景に余計なものが写ってしまわない場所などが挙げられます。撮影を行う時間によって太陽の位置が変わるため、午前と午後では明るい光が入る窓の位置が変わることもありますので、撮影時間を考慮した上で場所を考えましょう。
インタビュー写真の構図アイデア
インタビュー写真の構図は、さまざまなものが考えられます。ここでは構図のアイデアをいくつかご紹介しますので、撮影の際の参考にしてください。
対話中の様子を引きで
インタビュー取材を行っている対話中の様子を引きで捉える構図は、インタビュー写真としては定番だと言えるでしょう。インタビュアーに向かって話しているインタビュイーの自然な表情とジェスチャーを捉え、取材中の雰囲気を伝えるのに適した構図です。
対話中の様子を引きで撮影するときは、人物を画面の真ん中に配置するカットだけでなく、撮影対象者が目線を向けている方向に余白を作ると、おさまりが良くなります。
少し下から煽り気味に
インタビュイーにクローズアップして少し下から煽り気味に撮る構図は、ダイナミックで力強い印象や壮大な印象を与えられます。例えば将来の話をしているときや、経営者としての威厳を示したいときにこの構図を使うと、想定するイメージに適した写真になるでしょう。
少し上斜めから撮る
じっくり考えている様子や真剣な表情は、少し上斜めから撮ると、思慮深い印象を与えることができます。真上から撮影してしまうと表情が写らなくなってしまうので、被写体の頭より少しだけ高い位置にカメラを構えて、あまり寄りすぎずに表情とジェスチャーを捉えましょう。
インタビュイーが作業中の様子
インタビュー中の様子だけでなく、インタビュイーが作業中の集中している表情や動きのあるポーズを捉えた写真があると、記事の中に抑揚が生まれやすくなります。
例えばデスクワーカーならパソコン作業をしているところ、ものづくりに携わる人ならものづくりの作業をしている様子を撮ります。表情や手元に寄ったもの、作業に使う機械にフォーカスしたもの、作業時の動きをダイナミックに捉えたものなど、さまざまな角度から撮影しておくとよいでしょう。
手元をアップで
対話中にジェスチャーをしている手元や作業中の手元など、人物の顔ではなく手元をアップで写した構図でも撮影しておくとよいでしょう。手元にフォーカスした写真は、動きがありダイナミックな印象を与えるだけでなく、職人技の繊細さなどを伝えやすくなります。
一般的なインタビュー写真では、人物の表情を捉えるためにウエストショット(腰から上)やバストショット(胸から上)の構図で撮影することが多いものです。人物の顔が写った写真ばかりだと単調になってしまうこともありますので、手元のカットを入れて記事の流れに変化を生み出すのは、効果的な手法だと言えるでしょう。
話に出てきた物や場所
記事の流れに変化を生む方法としては、人物だけでなく物や場所のカットを入れるのもよいでしょう。例えばインタビュー中の話に挙がった製品や機械、場所など、取材内容と関係のあるものを撮影しておくと記事に掲載しやすくなります。
背景を活かしたポートレート
インタビューが行われた場所の雰囲気や背景を活かして撮影するインタビュイーのポートレートは、インタビュー写真の定番であり記事の見出し画像として使いやすい写真だと言えます。
真正面もしくは少し斜めを向いた状態で、フルショット(全身)やバストショット(胸から上)など、さまざまなパターンをおさえておくとよいでしょう。
店舗や事務所などの建築写真
事業を営む人へのインタビューの場合、人がいない状態の店内や事務所内などの建築写真を撮るケースも多いものです。広角レンズで建物内・外の様子を捉えると、場の雰囲気を伝えるのに適した写真になります。なお、人がいる状態で撮影する場合は、写りこむ人の肖像権に配慮が必要です。
インタビュー写真撮影のコツと注意すべきポイント
より良いインタビュー写真を撮影するためには、おさえておくべきコツと注意すべきポイントがあります。撮影時には次のような点を意識して、対象者の魅力が十二分に伝わる写真を撮影しましょう。
枚数は想定より多めに撮影する
ブレや半目などのミスショットがあってもカバーが利くように、インタビュー記事に掲載する予定枚数よりも多めに撮影しておきましょう。
またその際は、同じ構図かつ同じ表情のものを連射するのではなく、アップ・引き・横顔・正面・笑顔・真剣な表情など、同じ構図や表情の中でもさまざまなパターンをおさえておきましょう。
被写体と同系色の背景を避ける
被写体の服装や髪色と背景が同系色だと、輪郭がぼやけて印象が薄くなってしまいます。撮影の際は背景にも気を配り、被写体と同系色の背景の前ではできるだけ撮影しないように注意しましょう。
自然光を取り入れる
インタビュー写真に限らず、写真撮影は自然光などの明るい光を取り入れることが大切です。特に室内で撮影を行う場合、部屋に備え付けられている照明の光だけでは明るさが足りず、人物の表情が暗く写ってしまうこともあります。
窓から入る自然光を上手く使って撮影することで、明るく魅力的な表情を捉えやすくなります。窓のある位置や撮影時間を考慮しながら、自然光を取り入れられるスポットで撮影するよう心がけるとよいでしょう。
光が入ってくる方向に注意
室内や暗い場所で被写体の真後ろに強い光源があると、逆光になって顔が暗く映ってしまいがちです。反対に、屋外や明るい場所で、被写体の真正面に強い光源がある順光の状態だと、顔に濃い影ができたり表情がまぶしそうになったりします。
撮影の際は、被写体に対して光がどの方向から差し込んでくるのかに注意すると、より魅力的な表情が捉えられるようになるでしょう。
水平垂直を意識する
写真が傾いていると、不安定な印象を与えます。特に店舗や事務所などの建物を撮影する際は、水平垂直を保って撮影するように心がけましょう。
カメラの機能で水準器を表示させたり、グリッド線を表示させたりして、水平垂直を意識した撮影を行いましょう。建物なら、柱や床など水平もしくは垂直なものを目安にすると、撮影しやすくなります。
撮影中に不安げな表情をしない
撮影中に機材のトラブルが発生したり、想定していたカットがなかなか撮れなかったりすると、不安になってしまうこともあるでしょう。しかし、撮影者が不安げな表情をしていると、被写体も不安な気持ちになり、表情が硬くなってしまいがちです。
撮影者・被写体ともにリラックスして撮影に臨めるよう、できるだけ明るい表情や声かけを心がけて撮影しましょう。
まとめ
インタビュー記事において、文章だけでは伝えきれないインタビュイーの魅力を伝えてくれるのが、インタビュー写真です。より良い写真を撮影するためには、撮影当日までに構図や撮影場所を考えておくなど、準備できることもいくつかあります。今回ご紹介した構図アイデアや注意すべきポイントを参考に、魅力的なインタビュー写真を撮影してください。
また、インタビュー記事執筆にあたっては、取材音源の文字起こしを行うケースが多いものです。AIが99.8%の高精度で会話の内容をテキスト化する文字起こしツール「AIGIJIROKU」を使うと、記事執筆がスムーズになります。ぜひ利用を検討してみてください。
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