張り詰めた商談、雑談を有効に活用したい営業の方は、アイスブレイクという方法を試してみると良いです。商談を成立させるために、自社のメリットだけを伝えるのは押し付けになります。しかし、効果的な商談の進め方がわからない。そんなときにアイスブレイクを利用すると良いでしょう。
この記事では、営業が使うアイスブレイクの意味から不適切な場面を理解し、効果的に働かせる方法を解説していきます。
目次
アイスブレイクとは何かを解説します
「アイスブレイク」とは、張り詰めた空気感の場に感覚の刺激を入れることで、緊張をほぐす行動を例えた言葉です。例えば初対面の商談のとき、お互いの関係性が築かれる前なので、商談もしにくい雰囲気になりやすいでしょう。そんなとき、取引内容と離れた話題を挟むことによって緊張感を解く役割を担うのが「アイスブレイク」です。
アイスブレイクが効果的に働くと、商談相手から話すようになり、根幹の課題や本音を知ることができてきます。これらは自社の商品やサービスで解決できることが明確になり、お互いがウィン・ウィンになる関係性が築ける期待が持てます。
営業が使っている定番のアイスブレイクは、頭文字を取って次の言葉で表現されています。
キドニタテカケシ衣食住(木戸に立てかけし衣食住)
キ:気候や季節
ド:道楽(趣味や好きなこと)
ニ:ニュース
タ:旅系
テ:テレビ
カ:家族
ケ:健康
シ:仕事
衣:衣類
食:食べ物系
住:住まい
これらのアイスブレイクに使われるネタを、顧客との関係性や環境に応じて変えていくことで、商談がスムーズに進みやすいでしょう。しかしながら、アイスブレイクには注意点もあります。有効活用するために、不要な場面を理解しておくことで、信頼関係が崩れるなどトラブルを回避ができます。
営業にアイスブレイクは不要なのか?
営業にアイスブレイクは不要、もしくは必要なのか?この問いに対しての結論は、状況によると言えます。
なぜなら、状況は千変万化して成功した方法が別の環境では、通用しないことも多いからです。営業のアイスブレイクの大きな役割は2つあります。
・緊張を緩和するための一つの手段
・目的は信頼関係の構築
この2つを意識した上で使用すると、予想外の結果になることは防げるでしょう。この章では、アイスブレイクが不適切になる状況をお伝えし、商談をスムーズに進めていく指標を解説します。
アイスブレイクに不適切なジャンル
営業のアイスブレイクに不適切なジャンルがあります。次のようなジャンルは避けたほうがよいでしょう。
・政治
・宗教
・学歴
・芸能のゴシップ
これらのジャンルは、価値観の違いが表れやすくなります。善悪や優劣をつける判断が生まれ、主張が個人で違うことが多いでしょう。食い違いが多くなると、主張の対立が起きて、否定感が漂う可能性が高いです。とくにニュースはトレンドネタで、話しやすいジャンルでもあり、新鮮度が高くて使われやすいです。
目的を意識し過ぎて、商談とかけ離れた会話は方向の軌道修正が難しくなりやすいです。事前にネタは考えておくとよいでしょう。仮に話したとしても、笑いネタに変えたり、一歩引いた話をしたりすれば、マイナス思考や個人の主張での対立が出にくくなります。
営業のアイスブレイクが不要な場面や人
営業によるアイスブレイクが不要な場面や人の例はあります。その中でも、多人数が参加する商談は、アイスブレイクを挟むより、雰囲気を作るほうに集中したほうが良い場合もあります。次の場面は、1対1の商談の場合でアイスブレイクが不要な状況をお伝えしていきます。
雑談が苦手な人
雑談が苦手と感じる人との商談には、アイスブレイクが逆効果に働く可能性が高いです。なぜなら、話すことに慣れていない人は、商談の雰囲気に合わせるだけで精一杯になるからです。営業は業務上、人と関わる機会が多いです。一方、商談相手となる方は、話す機会が多いとは限らず、仕事だから接している人もいます。雑談が苦手と感じた場合は、アイスブレイクを使わないほうがよいでしょう。
雑談が苦手な人は、話のネタを考えることより、業務の話で場を保つことも考えていたりします。話すことが苦手と感じている方の商談でも、回数を重ねるごとにお互いが話しやすくなる期待ができます。接触の回数を重ねることで親近感が湧くことを、ザイアンス効果と言われています。
営業が話をリードして、相手も主体的な会話ができるように雰囲気作りができれば、商談が進みやすくなるでしょう。
商談時間が短くゲストの参加がある場合
商談相手に関係した上長および他部署の方が参加するゲストがいる場合は、アイスブレイクが不要な場面も多いです。なぜなら、複数人の時間を使うことになるからです。複数人が参加した場合、時間に対する精度が求められ、核心に迫った会話をしていくほうが効率的になります。
また、参加するゲストも自分の業務を優先する気持ちが出てくるでしょう。このような状況は雑談が苦手な人への対応と同じく、業務の話を始めていくほうが良いです。
以上が営業のアイスブレイクが不要な場合の解説でした。不要な状況を理解しておくことで、活かせる場面で使用することができてきます。次の章では、営業がアイスブレイクを利用して成功していくコツを紹介します。
営業がアイスブレイクを利用して成功していくコツ
アイスブレイクが不要な場面や人を理解しておくと、事前の対策ができます。わからないことをあらかじめ予測することで、商談の不安は減っていくでしょう。この章では、アイスブレイクを利用して商談を成功させていくコツを紹介します。
結論から言うと、心の事前準備が9割を占めています。予測はしても外れてしまうと効果が出にくいものよりは、商談の方向性を決めておくことで、アイスブレイクが生きてきます。
営業が心を整える
1つ目は心を整えることです。営業は相手をリードする役割もあるので、心の状態を整えておくと、行動や言葉が変わってきます。中でも有効なのは、目的を達成したイメージをすることです。ただし、全てが良いと思える結果だけをイメージするのではなく、障害があることを予測しておきましょう。目的を達成するために起こりうる障害を予測することができるので、対策も自然に考えて商談に臨むことができます。
メラビアンの法則によると、人が良し悪しを判断するのは、見た目が50%で、声のトーン・話し方が40%、言葉が10%と言われています。90%は言葉以外でメンタルを意識することで、自然に変えられるものでもあります。
緊張していることや、話すことへの不安があっても悪いことと捉えがちです。しかしそれは誤った認識で、心理としては正しい状態です。受け入れるだけでも整っていきます。
共通点を見つける
心の状態を整えた上で、共通点を見つけていくと良いです。ここでの共通点は、目的の共有です。アイスブレイクは「信頼を得る」ことや「場の空気感を変える」という目的があるから実践していくニーズがあります。
営業・アイスブレイク・使い方を知りたい → 信頼を得るため、空気感を変えるため
自社もしくは商談時における目的は、曖昧な場合が多いです。このように動作を言葉で表していくことで、表面ではなく本来の目的が明確になっていくでしょう。
意見を肯定する
さいごは相手の意見を肯定していくことを意識すると、アイスブレイクの効果も重なってきます。振り向かせるためのテクニックの一つですが、わざとらしさが出ないようにするためにはコツがあります。
相手の話を聞く → 意見を受け入れる → 自論を話す
意見の違いは率直に反論をしたくなることもあるでしょう。反論を持ち出す際には、いったん相手に理解を示すことで、相手も違いを受け入れてくれます。
まとめ
この記事では、営業のアイスブレイクに関することから、商談を進めるコツを紹介してきました。まとめると次のようになります。
・アイスブレイクの目的は信頼を得るための手段
・アイスブレイクが不要な場面と人
・アイスブレイクを活用するための商談のコツ
営業が商談に臨む場面は多いですが、雰囲気は同じ状態とは限りません。アイスブレイクを上手に活用しながら、成功パターンを検証していきましょう。
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