リモートワークが普及して、オンライン商談のツールも多くリリースされてきました。しかしながら、対面からオンラインに切り替わるのでツールの使い方や選び方がわからない。こんな悩みの対策として、本記事ではオンライン商談とは何か?を解説し、役立つツールを徹底解説していきます。
目次
オンライン商談とは
オンライン商談とは、対面で行う商談をインターネットに繋がっている状態からリアルタイムで映像を通して実施する総称を言います。対面の商談は人が直接会うことですが、オンラインはカメラや音声機器を通して通話、通信します。
リモートワークの普及により、取引先との商談も移動時間を短縮して商談の精度を高めるためにオンライン化も進みました。2019年にHubspot Japan株式会社が営業担当者の意識を把握するために行った「日本の営業に関する意識・実態調査」では「日々の商談の移動時間」が無駄と感じること第4位でした。
本音の意見からも、オンライン商談は加速していき、オンライン商談を効率化するツールも多く製品化されていくでしょう。
オンライン商談のツールとは何か?
オンライン商談のツールとは、オンライン商談を円滑に行うための総称で「ツール」と呼んでいます。システムだったり、アプリだったりと形はいろいろあります。大きく2つに分かれており、無料から有料まで機能性も豊富です。この章ではツールの種類を解説していきます。
オンラインだけで利用できるツール
1つ目はオンライン上にあるだけで利用できるツールがあります。ブラウザを開いて使用するものは、外出先からもアクセスが可能だったりと利便性が高まります。
たとえば、Googleが提供しているクラウド上で作業を可能にするGoogleドライブl、後の章で紹介するドキュメント類は、無料でほぼ制限なく使用することが可能です。
近年は後から起こりうる作業の時間を削減するため、リアルタイムで解決できるツールが活躍しています。文字起こしツールなどが一例で、商談の後には商談をまとめたり提案資料を作成したりと、作業が発生します。これからも、作業を効率化する役割も兼ねたオンラインのツールが活躍していくでしょう。
専用アプリやシステムを使うツール
もう一つのオンライン商談のツールは、専用のアプリやシステムをダウンロードして使うものがあります。リモートワークの普及により、利用者が急増したZoomやChatWorkは、専用のアプリ、システムをダウンロードして利用します。
これらは機能が豊富にありますが、無料で使える部分には制限があり、企業が利用するには有料版を購入することが前提となるでしょう。しかしながら、小規模な企業向けのプランから大企業までと、幅広い料金帯を設定しています。
オンライン商談を行う上でツール選びは欠かせない作業になるでしょう。そこでコストを最小限に抑え、自社にあったツールの選び方を次の章で紹介します。
失敗しないオンライン商談のツールの選び方
オンライン商談のツールは、オンライン環境があれば利用できるツール、専用のシステムやアプリをインストールして利用するツールがあります。どちらが良いという判断はありませんが、見るべきポイントを見極めていくのは一緒です。この章では失敗しない選び方で、自社にあった基準を持つための道標を紹介します。
無料で使える機能が豊富
1つ目の失敗しないオンライン商談のツールの選び方は、無料でも使える機能が豊富なことです。社内で大規模な商談方法の改変を検討しておらず、一時的に使うならば、無料で済ませていけば、余計なコストをかけずに効率化が実現できます。
セキュリティ面が気になりますが、機密な情報を扱う場合は対面方式で個人が責任を持って保管するなどルールを決めておけば良いです。オンライン商談でも、1対1の環境であれば、無料で使える会議システムだけで完結できます。また無料の会議システムは1時間まで利用することが可能なものが多いです。無料システムの機能を利用して、商談時間を区切ることができます。
顔見知りな取引先や、自社のサポートをしてくれる仕入先との商談は、無料ツールの利用だけで済ませることができる可能性が高いです。
月額料金の確認
2つ目の失敗しないオンライン商談のツールの選び方は、月額料金の確認をすることです。オンライン商談のツールには、ビジネス用のプランなど幅広い料金体系が設定されています。しかしながら、利用者数が増えるのに比例して、月額料金も高くなる傾向です。
リモートワークの推進やDX化を優先するあまり、利用頻度とコストのバランスをおろそかにして、高額な維持費がかかってしまうこともあるでしょう。本当にコストパフォーマンスがあるかどうかは、導入してからでないと見えない部分です。ツールを利用する前に、月額料金と自社が何を目的に検討するのか?をある程度明確にしておくと、月額料金が高額になるのは防ぐことができるでしょう。
共有機能が充実している
3つ目の失敗しないオンライン商談のツールの選び方は、共有機能が充実していることです。オンライン商談では、原稿データを共有するほうが効率的です。印刷した資料を画面越しに見せ合うのは、オンライン商談には向いていません。
オンライン商談では、印刷前の原稿データを画面内で共有するのが一般的な利用方法です。
共有する場合は、以下の点に注意すると良いでしょう。
・重要な情報を載せたファイルを開っきぱなしにすること
・パソコンのデスクトップを整理しておくこと
共有機能は便利な半面、使用者の仕事の内面も見えやすくなります。一つの画面だけの共有もできますが、商談以外のところに目が向き、マイナス印象を与えてしまっては、もったいないので、オンライン商談はパソコン上の整理もしておくと良いでしょう。
使い方がシンプルである
4つ目の失敗しないオンライン商談のツールの選び方は、使い方がシンプルであることです。実際に使用しないと不明なところですが、導入をしても感覚で利用できると業務の負担が減るでしょう。見分け方としては商品紹介ページ、もしくは初めの利用は無料だったり、お試し期間を設けてくれているところで、試験運用してみると良いです。
また、使い方がシンプルだと、商談相手にも伝えやすく信頼関係が築ける材料にもなります。システムや機器に苦手意識を持つ人は多いものです。シンプルに使えることを伝えてあげるだけで、商談相手との距離感も縮まる期待が持てます。
以上の選び方を踏まえた上で、無料から有料までオンライン商談で活躍が期待できるツールを選んでいきましょう。
【無料&有料】オンライン商談に活躍するツール6選
Googleが提供している無料ツールだけでも、他社との小規模な打ち合わせや、資料を作成するなど簡単な作業がリアルタイムに可能です。映像、共有資料、安定したネット環境があれば、オンライン商談は対面と変わりなく実現が可能で、効率化もできるでしょう。
この章では、オンライン商談で活躍が期待できる無料で使えるツール6つと、有料の違いを紹介していきます。
Google Meet
オンライン商談に活躍するツール1つ目は、Google Meetです。
Google MeetはChromeブラウザだけでオンラインのビデオ通話ができるGoogleのサービスです。1対1なら24時間まで、3人以上は1時間以内なら無料でビデオ通話ができます。
利用の仕方は簡単で、会議を作成するボタンから専用のURLが発行され、そのリンクを相手に送りクリックするだけで参加が可能です。リンクを知らなければ、参加することはできないので、セキュリティ面でも安心要素が高いです。
また、特徴としてはリアルタイムの文字起こしが日本語や英語をはじめ、あらゆる言語に対応しています。聞き逃しても、文字にされたものを見返せば、話の流れを見失うことが減ります。
有料版になると、録画機能の有無や3名以上の利用が24時間まで可能になります。無料でネット環境が安定していれば不自由もなく使えます。オンライン商談に活躍が期待できるツールの1つと言えるでしょう。
Googleドキュメント
Googleドキュメントは同じくGoogleが提供している文書を書けるツールです。マイクロソフトofficeのWordと同様な機能を有しています。また、互換性もありWordで作成した文書をGoogleドキュメントにすることや、逆のパターンにすることも可能です。ドキュメントは無料で利用することができ、オフラインの作業でも一時的にパソコンに保存され、インターネットに繋がれば、オンライン上に保存されます。
音声入力もでき、聴き取った声をドキュメントに保存していくことができ、議事録の作成にも一役買うことができるでしょう。Googleドキュメントが商談時に使える機能としては、話したことを文字化し、リアルタイムの共有で双方のズレが生じないようにする期待が持てます。
スプレッドシート
スプレッドシートはGoogleが提供している表計算シートです。Excelとほぼ同じ要領で計算ができます。スプレッドシートは、共同作業するのに最適です。なぜなら、オンライン上で同時に入力作業が可能だからです。ファイルサーバー上にあるシートは、1人が開いているときに他の方が作業できなくなります。
しかし、スプレッドシートは同時に作業ができるので、プロジェクトを進めているときなど、共有する場合が多いときは重宝します。近年は機密な情報のやり取り以外は、オープンに共有していくことで、お互いの作業時間の短縮を実現できることを見込む企業もあります。
Googleスライド
GoogleスライドはマイクロソフトのPowerPoint(パワーポイント)のような、プレゼンテーションができるツールです。商談だけでなく、セミナーや商品紹介の演出を派手やかにするアニメーション機能が豊富にあります。商談で説明をする際には、もっとも利用しやすいツールと言えるでしょう。
これらGoogleが提供するツールは、商談以外にも社内の会議をリモート化した場合でも効果的です。たとえば、商談に臨むのが自社だけでなく、協力会社も必要な場合、資料作成をリアルタイムで実行すると、移動時間、資料の印刷から修正時間の短縮とコスト削減が可能になるでしょう。Googleが提供する無料ツールだけでも、オンライン商談に活躍が期待できると言えます。
次に紹介する2つのツールはGoogle以外の専用アプリやシステムを持つもので、多くの企業が導入しているものです。
Zoom
Zoomは現在国内で導入実績とシェア1位のオンライン会議システムです。専用のアプリをインストールして利用します。無料版は40分以内の通話に限られますが、時間を要さない商談であれば、無料版でも利用ができます。
しかしながら、企業全体として利用の促進があるので、有料版で導入している会社がほとんどです。有料版のZoomの特徴は100人以上の参加者がいても可能、24時間までビデオ通話可能、参加者を個別の部屋に分けるブレイクアウトルームの作成などができます。
オンライン商談に限らず、セミナーでの個別相談から販売商談まで利用用途は幅広いです。
Zoomに期待できるのは、取引先を巻き込んだ教育の場や、商品説明です。対面方式では大きな会場が必要になり、受ける側の利便性がありませんでした。Zoomなどオンライン会議システムの普及により、これまでの商談のあり方に変化が起こり、受講側の自由度も上がりました。
Chatwork
グループチャットも8グループまで無料です。無料プランでは、制限が多くなり過去のチャットが見れなくなります有料プランでも月額500円からとリーズナブルな料金設定です。Chatworkを利用するメリットの一つは、既読表示がないことです。
自分がいつ読んだのかを相手に知られることがありません。既読を見たら相手に返信や作業を優先してくれる期待を持ってしまう場合も多いです。立場が逆でも、既読が相手に伝わったら、相手の目線を気にすることで、自分のペースを崩すこともあるでしょう。チャット相手と自分にも焦りを与えない機能だと言えます。
以上がオンライン商談に活躍が期待できるツール紹介でした。最後にオンライン商談を効率よく実施するコツを見ていきましょう。
オンライン商談を効率よく実施するコツを紹介
オンライン商談のツールを使いこなして、効率よく実施するには環境を整えることが大事です。なぜなら、商談を行う環境が悪ければ、心構えとしてマイナス状態のスタートになるからです。そこでこの章では、オンライン商談を上手に行って商談が成立しやすくなるコツを紹介します。
回線状態が安定する場所を選ぶ
1つ目のコツは、回線状態が安定している場所を選んで商談を実施することです。基本的なことですが、回線の乱れが多いと心地よさが減り、不快な印象を与えます。商談相手も整える必要があるので、回線状態が相手都合で悪い場合、商談は別日程で行うことも視野に入れましょう。
カメラの画質を上げて音声の質もこだわる
2つ目のコツは、画質と音声を高くしていくことです。オンライン商談は画面を映すカメラが必須となります。中級クラスのカメラ性能を利用することで、画質の悪さは避けられるでしょう。オンライン会議システムのツールでは、明るさ調整の機能があったりするので、明るさが足りない場所では、うまく調整して利用しましょう。
音声については、マイクを用意し相手の声が他に漏れないよう配慮することで、情報漏洩も防ぐことができます。イヤホンとマイクが一体型になっているものを利用すれば、分けて使用することもありません。また、マイクには大きく3種類のタイプがあり、音を拾う範囲が違います。
単一指向性
一方向だけの音を拾う。司会や1対1の通話に向いている
双方向性
対局した2方向の音を拾う。インタビュー向き
無指向性
全ての方向の音を拾う。
1対1のオンライン商談では、単一指向性のマイクが向いています。
うなづく仕草を対面時よりオーバーにする
3つ目のコツは、うなづく仕草を対面時よりオーバーにすることです。環境も整えた上で、誰でも簡単にできるテクニックです。オンラインは顔以外は画面に映ることが少ないです。身体の動きは伝わりにくいので、顔の動きを大きくすることで臨場感が出やすくなります。相手に話しやすくするために効果的なのが、うなづく仕草を大きくすることです。
うなづく仕草で相手に与えるメリットは、次のようなものです。
・同意する意思があると見えて親近感が湧く
・リズム感が出て、話が具体化しやすい
・対面で話す感覚に近くなる
うなづく行動は、否定的な印象を与えないことにも有効です。相手の意見にいったん同意し、持論を展開していく流れは、押し付け会話を避けて、商談のズレも修正できます。意見を活かし合うことで、新しい戦略が生まれる期待が出てくるでしょう。
まとめ
この記事ではオンライン商談の解説、ツールの紹介から商談のコツをお伝えしてきました。まとめると、オンライン商談のツールの使い方は、環境を整えることが大事です。2つの要素が合わさっていけば、効率化や商談成立につながりやすいです。テクニックを十分に活用するためにも、自社にあったツール選び、商談のやり方を探り検証していきましょう。
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