「会話形式の議事録の書き方は?要点整理形式との使い分けはどうしたらいい?」と疑問をお持ちの方に向けて、具体的な活用方法を紹介します。
会話形式の議事録は、内容を一通り共有したいときや作成の時間が十分取れないときにおすすめです。本記事を参考にしていただき、シーンごとに議事録の形式をうまく使い分けてください。
目次
議事録の書き方は2パターンある
議事録の書き方には会話形式と要点整理形式の2つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
会話形式
会話形式は、文字通り会話の流れで議事録を残す形式です。話者と発言を詳細に記載して、会議の全体の流れをつかみやすいことが特徴です。
ただし要点整理形式とは違い、重要な点や要点がわかりにくくなることがネックと言えます。
要点整理形式
要点整理形式はよく見られる議事録の形態で、参加者や議題、会議の要点や次のアクションを簡潔にまとめたものです。
会議の内容を効率よくシェアできる反面、その場の雰囲気や意見を述べた話者を知ることは難しいでしょう。次に使い分け方を紹介しますので、会話形式と要点整理形式のどちらが適切か事前に考えたうえで議事録を作成してみてください。
会話形式と要点整理形式、どちらの議事録がいいか
会話形式と要点整理形式は、会議の内容によって使い分けるのがおすすめです。それぞれおすすめのシーンを詳しく解説します。
会話形式の議事録がおすすめのケース
会話形式の議事録は質疑応答を記録したいとき、話者の区別を明確にしたいときにおすすめです。その理由についてもあわせてまとめました。
質疑応答を記録したいとき
質疑応答を記録したいときは、会話形式の議事録がおすすめです。文書を見れば質問と答えが明確にわかり、Q&Aの流れで話が進んでいることがひと目でわかります。
誰が質問し誰が答えたかも記録できるので、言った・言わないの問題につながることを防ぐ効果もあります。
話者の区別をして責任を明確にしたいとき
話者の区別をして責任を明確にしたいときも、会話形式の議事録がおすすめです。
話者がわかれば、あとから見直したときに責任の区分が明確になって仕事を進めやすくなるでしょう。
要点整理形式ではこまかい話者の区別まではしないケースもあるため、念のために責任区分を残しておきたい場合は会話形式を選んでみてください。
会議がしっかり進行して結論がわかりやすいとき
会議がしっかり進行して結論がわかりやすいときも、会話形式で議事録を書くのがおすすめです。
話が延々と続いてしまうと、結論がわからず要点も把握しにくくなります。しかし、会話がきちんと進行すれば会話形式で書いても大きな問題はありません。進行具合によって、使い分けることを意識してみてください。
要点整理形式の議事録がおすすめのケース
要点整理形式の議事録がおすすめのケースは、作成に十分な時間が取れないときや、会議が長引いてしまったときです。ひとつずつ詳しく見てみましょう。
議事録作成に十分な時間が取れないとき
議事録作成に十分な時間が取れないときは、要点整理形式で作るのがおすすめです。話し合った内容や決定事項、次のアクションを書けばいいので、慣れていれば数十分から1時間ほどで書き終わるでしょう。
またあらかじめテンプレートがあれば、その内容に従って書けばいいので時間を短縮できます。時間の使い方を重視したい方は、要点整理形式で作成してみてください。
会議が長引いてしまったとき
会議が長引いてしまったときも要点整理形式で書くといいでしょう。会議時間が長くなった場合にすべてを会話形式にすると、作成にも時間と手間がかかるからです。
すべてを会話形式にすると時間がいくらあっても足りません。要点をまとめるだけなら1時間ほどあれば終わるため、会議が長いときは会話形式を選びましょう。
会話形式で議事録を書くメリット
会話形式で議事録を書くメリットは流れがわかりやすいことや、発言者が誰かわかることです。3つの項目にわけてメリットを紹介します。
時系列なので流れがわかりやすい
1つ目のメリットは時系列なので流れがわかりやすいことです。どのような流れで議題が移り変わっていったのか、会話形式ならすぐわかるでしょう。
要点整理形式だと、話者の質問の意図や話の流れの詳細まで把握することはできません。時系列で会議の内容を残しておきたいときは、会話形式を選ぶのがおすすめです。
発言者が誰かすぐわかる
2つ目のメリットは発言者が誰かすぐわかることです。発言形式は基本的に話者を記載する形になるため、誰が何を言ったのか文書に残せる効果があります。
お互いの認識のズレを防ぐためには、会話形式にして話者も記載し、責任の所在をわかりやすくするといいでしょう。
会議の雰囲気を感じ取りやすい
3つ目のメリットは会議の雰囲気を感じ取りやすいことです。会話形式なら参加者の温度感が伝わりやすく、それぞれの感情をくみ取りやすくなります。
例えば新たな企画に対して前向きに進めたいと思っているのか、懸念のほうが大きいのか、要点整理形式ではわかりにくいでしょう。会話形式は発言の細部まで記録することになるので、こうした細かなニュアンスを把握しやすくなります。
会話形式で議事録を書くデメリット
会話形式で議事録を書くデメリットは、大切な事項がわかりにくいことや作成に時間がかかることです。それぞれの項目を見てみましょう。
大切な事項がわかりにくい
1つ目のデメリットは大切な項目がわかりにくいことです。要点整理形式なら大切なことを箇条書きにしますが、会話形式だと話の内容がひたすら続きます。
そのため、重要な箇所や決まった事項がわかりにくいことがネックです。大切な箇所をわかりやすくするためには、太字やマーカーを使って文字を装飾するなど工夫しましょう。見た目に装飾を加えるだけでも文面に変化が表れ、読み手の負担を低減できます。
作成するのに時間がかかる
2つ目のデメリットは作成するのに時間がかかることです。会話形式は話した内容をすべて記載するので、要点整理形式と比べると情報量が膨大になります。
1時間の会話の内容をすべて文章にするのは、書き手にとって負担になりますし時間もかかってしまうでしょう。業務量に余裕があれば問題ないかもしれませんが、多くのビジネスパーソンは時間の捻出は難しいはずです。
場合によってはAIGIJIROKUなどの文字起こしツールを活用し、自身の限られた時間をうまく使いましょう。
読み手の負担が大きい
3つ目のデメリットは読み手の負担が大きいことです。会話形式にすると文章のボリュームが多くなるので、読み切ることや要点をつかむことのハードルが高くなります。
内容によっては決定事項や次のアクションプランがわからず、ストレスを感じることもあるかもしれません。このような負担をなくすためには、文書内に装飾を加えることや、要点を別途付け加えることが有効です。
会話形式の議事録を書く際のポイント
会話形式の議事録を書く際は発言者を記載すること、重要なポイントを押さえること、文章を整えることが大切です。ポイントをそれぞれ見てみましょう。
発言者を記載する
1つ目のポイントは発言者を記載することです。セリフの前に話者を記載すれば、内容の把握がしやすくなり責任の所在もわかりやすくなります。
例:
山田「今回の会議では〇〇について決めたいと思います。佐藤さん、まずは進捗の共有をお願いいたします。」
佐藤「ではスライドをお見せしながら現状を共有します。」
このように話者を書くことで、会議の雰囲気や流れが明確になります。
重要なポイントを聞き逃さない
2つ目のポイントは重要な箇所を聞き逃さないことです。欠席者に情報を共有する際は、決定したことや次にやるべきことがわかるようマークをつけておきましょう。他にも、売上などの数字や事実に関しては特に注意が必要です。
そのためには会議の記録をとることではなく、話の内容に集中する必要があります。スマートフォンやレコーダーを使って録音しておき、会議の最中は重要な箇所を聞き逃さないよう注意しましょう。
わかりやすい文章に整える
3つ目のポイントはわかりやすい文章に整えることです。話したことをそのまま記載すると、特に書く必要のない冗長表現が多くなります。
例えば「そういったことに関しては、弊社の立場から申し上げますと、えっとですね」という表現は「弊社の立場から申し上げますと」だけでも文章が成り立ちます。
このように議事録を作るときは、なるべく無駄な表現を省くことを意識してみてください。それだけでも文章がスッキリして大事な箇所がわかりやすくなるはずです。
会議の要点を別途記載する
4つ目のポイントは、会議の要点を別途記載することです。すべて会話形式にするとポイントがわかりにくくなるため、重要な箇所は箇条書きにして別途記載しましょう。
時間のない方は要点を見れば済みますし、欠席者も議事録を読む際のストレスがなくなります。要点は議事録の最後ではなく、冒頭に記載するとさらにいいでしょう。
会話形式の議事録の書き方5ステップ
ここからは会話形式の議事録の書き方を5ステップで紹介します。これから会話形式で議事録を書かれる方は、以下の手順を参考にしてみてください。
1:会議の内容をレコーディングする
まずは会議の内容をレコーディングします。レコーディングに使う機器はスマートフォンやパソコンで問題ありません。
音質にこだわる場合は、専用のマイクを用意しましょう。会議の最中に議事録を取ることは難易度が高いので、最初にレコーディングをしてから会議終了後に文書を作成するのがおすすめです。
2:文字起こしをする
次は会議の内容を文字起こしします。手動ですべて文章にすると手間と時間がかかるので、文字起こしツールを使えば効率化できます。AIGIJIROKUはAIエンジンが話者特定を行い、99%の高い精度で文字起こしが可能です。
3:文章を整える
文字起こしを終えたら文章を整えます。不要な表現を削除する、長い文章は適度に区切るなど、読み手に負担のない議事録を目指しましょう。
例えば「えー」「あー」といった言葉は議事録には必要ないので、それぞれ削除します。また、結論が後ろのほうで述べられている場合は順序を変えると、欠席者が内容を読むときに理解しやすくなるでしょう。
4:要点をまとめる
文章を整えたら要点をまとめていきます。会話の内容を改めて見直し、要点や決定事項、次回の会議までにやるべきことを洗い出しましょう。
要点を書くときは、要点整理形式のように箇条書きにすれば問題ありません。議事録の冒頭に要点を記載すると、読み手がストレスなく内容を理解できます。
5:議事録を共有する
最後に関係者に議事録を共有します。共有する際はなるべく会議終了後の早い段階にしましょう。そのためには議事録のテンプレートを作っておくことや、あらかじめ会議の議題を把握しておくことが効果的です。
会話形式の議事録例
会話形式の議事録例を一部抜粋する形で記載します。ぜひ参考にしてください。
【会話形式の議事録例】
会議日時:2023年6月5日(月)13~14時
参加者:(敬称略)山田、佐藤、田中、大木、野口
議題:
・バナーの掲載先の決定
・広告出稿を行うか
・バナーのコピーは社内対応か外注か
要点:
・バナーはホームページとSNSの公式アカウントに載せる
・広告を出すことは見送る。必要に応じて今後検討
・バナーのコピーについてはWebマーケティング企業に別途発注する
会議内容:
山田「では6月5日月曜日の定例会議を開始します。今回は〇〇のプロジェクトの現状共有と、今後の方針について決めたいと思います。佐藤さん、まずは進捗の共有をお願いいたします」
佐藤「ではスライドをお見せしながら現状を共有します。現在は広報部門と相談しながら、ホームページやSNS公式アカウントに載せるバナーとコピーを作成しています」
田中「先日の話ではバナーの広告を出すという話だったと思いますが、その件はいかがですか?」
佐藤「弊社のなかで話し合った結果、今回は広告を出すことは予算の都合上見送ることになりました」
田中「そうですか」
佐藤「今後広告の効果を見ながら、必要に応じて広告を出すことも検討したいと思います。続いてバナーのコピーの件ですが、今回は外注してWebマーケティング企業の方にお願いする予定です。そちらの進捗については山田さんから共有いただけますか?」
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まとめ
議事録の作成は、会話形式と要点整理形式を上手に使い分けましょう。シーンごとに適した使い分けをすれば、関係者へ簡潔に情報を共有できて仕事が円滑に進むはずです。
必要に応じてAIGIJIROKUなどのツールも使いながら、議事録を効率よく作成してみてください。
AI GIJIROKU ブログ編集部です。議事録や、会議、音声を中心に生産性を向上するためのブログを執筆しています。